独りで迎え、過ごした大晦日も元旦も12回目となった。独りになってからは、子ども達の家族も正月早々に来ることはない。妻がいないと、家族を迎える準備が大変で疲れてしまうから、以前のように我が家に集まることは止めにしてもらっている。その代わりに外で揃って食事をすることにして何年か続けた。しかしこの3年は孫たちが次々に大学受験や高校受験で忙しいのでそれもしていない。中国人の友人達は正月に家族が帰ってこないことを奇異に思うようだが、別に私の家族への思いが淡白だったり、子どもや孫たちが私に冷たいわけではない。やはり家族そろっての団欒となると妻の存在が大きかったから、子ども達も母親のいない雰囲気には何となく気が抜けたような思いなのだろう。妻がいた頃のことを思うと寂しくないと言えば嘘になるが、10年以上もたつとこんなものだと思うようになった。時々電話したり会ったりしているから、今はそれでいい。
国立社会保障・人口問題研究所が、09年の7月に全国の1万世帯余りを調査したところ、高齢の親が子どもと同居している割合は48%余りということが分かり、平成6年以降の調査で初めて半数を下回ったと言うことだ。65歳以上の親が18歳以上の子どもと同居している割合は48.9%で、5年前に比べて3ポイント低下したそうだ。
20歳以上の夫婦の場合、夫の親と同居している割合は12.8%で、年々低下しているのに対し、妻の親と同居している夫婦は5.1%と、上昇傾向が続いている。いわゆる「マスオさん」(漫画のサザエさんの夫)が増加しているわけだ。これについては国立社会保障・人口問題研究所の室長は「夫の家に縛られないという意識の変化が進んでいて、妻の親との同居は、今後、さらに増えるとみられる」と分析しているとのことだ。夫の家に縛られないというのは分かるようでもあり、反面そんなものかなあとも思う。最近買った、武良布枝『ゲゲゲの女房』(講談社)を読むと、結婚早々の極貧の生活の中で夫を支え、やがて生活が安定すると夫の両親とも同居するような生活は、今の若い女性には理解できないものがあるのだろうと思う。
私の息子達の場合は独立して生活しているが、私がこのまま年をとり、独り暮らしが難しくなれば、どちらかの息子の家族と同居しなければならないことになるかも知れない。今のような生活に慣れてしまっているから、それを考えるとちょっと気が重い。私の気儘なのだろうか。
年の初めにあれこれ思い煩っても仕方がないことなのだが、やはりできるだけ元気に過ごすように心がけて、できれば長患いせずに人生にけりをつけたいものだ。