中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

帽子

2011-01-25 14:06:55 | 身辺雑記

 長男に会ったとき,私の頭を見てまだ髪があるねと言った。いやだいぶ薄くなったと答えたが、前にも書いたように私の髪の毛はかなり薄く、軟らかくなっている。そのせいか、寒い日に外に出ると頭が冷たくなる。

 

 外出した時に近所の奥さん(元気なガラガラした人なので、おかみさんと言ったほうがいいのだが)に出会うと「寒いね。帽子を被らんの。被ったら暖かいのに」と言われた。東京にいる上海人の敏敏(ミンミン)はチャットで、寒いから外に出る時は帽子を被ってねと言った。

 

 帽子は持っている。夏のものは次男が買ってくれ、冬帽子は2年ほど前に自分で買ったが、夏も冬も帽子をあまり被ることがない。とくに昨年の夏のように猛暑の日は被ったほうが良いのは分かっていても、つい忘れてしまうことが多かった。

 

 言われてみるとやはり被ったほうがいいのかと思い、引っ張り出して被って外に出たが、なるほど暖かい。やはり体裁などを構わずに被ったほうがよいと改めて思った。もっとも街に出てみると、帽子を被っている姿はあまり見かけない。やはりこのあたりは暖かいのかも知れない。被っているのはほとんど高齢者だが、それもあまり多くはない。男女を問わず若い人がニットのキャップを被っているのは時々見かけるが、いいものだと思う。とくに女の子は可愛い。

 

 私の幼い頃(戦前のことだが)、父は勤めなどで外に出る時はいつも中折れ帽(ソフト帽)を被っていた。父に限らずその頃の男性は皆そうだったように思う。流行だったのだろうし、おしゃれということもあったのだろう。幼い私が見てもそんな父は格好良く見えた。父のいない昼間に、玄関に置いてある父の帽子を手に取り、前のほうをつまんで軽く引っ張り、帽子の真ん中を縦に手刀を打つようにして軽く叩いてくぼませてから被ってみたりした。手つきは父のやり方の見よう見まねだ。帽子の内縁からはかすかに父がつけていた整髪料の香りがした。

 

          

 

 インタネットの通販のサイトを見ると、今でも多様な中折れ帽が売られているようだが、実際に街で被っている姿は見ることはほとんど無い。若者中心のファッショングッズなのだろう。この年になると、気の向いた時にちょっと被ってみてもいいかなとふと思ったりする。