年が明けてからHg君の宅で食事をした時、食後に録画してあった大晦日の紅白歌合戦を見た。見たと言っても4時間以上のものだから、早送りを繰り返したので、まともに1曲聴いたのは、昨年ブレイクした植村花菜の『トイレの神様』だけだった。
紅白歌合戦を見たのは10年以上ぶりのことだ。もともとあまり興味がなかったこともあり、妻が在世していた頃でもまともにべったり見るということはなかった。久しぶりに見る紅白の舞台が、豪華と言うか仰々しいものになっているのにちょっと驚いた。「国民的行事」とNHKが豪語するだけあって、金に糸目をつけないという感じで、視聴料が入るNHKならではだと少しひねくれた考えもした。
それに出演者やその歌がほとんどまったく知らないものばかりだから,Hg君と「これも知らん」、「これも知らん」と見る気が起こらないので、どんどん早送りした。どうも年齢のせいなのだろう、若い男の子や女の子のグループが騒がしく舞台を飛び回って踊り歌うのは、どれも同じように見えて興醒めする。「国民的行事」とは言っても、これでは若者向けの番組じゃないかと思い、こんなのはジイバアには分かるのかいなと言ったりした。ある70代の男性が「これは紅白じゃない」と言ったと聞いたが、そう思う高齢者もいるだろう。
そう小難しく考えずに、大晦日だ、「こんな歌は知らないなあ」、「あ、この子は知っている」と気楽に見ながら1年の憂さを忘れて楽しめば良いじゃないかと言われそうだが、どうにも私にはなじめなかった。やはり大晦日は静かに過ごすのがいい。