中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

記者の質問

2011-07-22 08:55:14 | 身辺雑記

 女子サッカーチーム「なでしこジャパン」が、ドイツでの世界選手権大会で強豪の米国を破って優勝した。PK戦の末とは言っても快挙であり、明るいニュースであることは間違いない。

 

 その「なでしこジャパン」で活躍して最優秀選手に選ばれた沢穂希主将らメンバーが佐々木監督とともに首相官邸を訪れて菅首相に優勝報告を行った。首相は「今から間に合うか分からないが勉強したい」とチーム内の統率力を持ち上げたそうだ。ごたごた続きの党内の状況や自身の置かれている立場が頭にあったのか。

 

 その後での記者団との会見で監督は首相の発言に対して「ジョークだと思う。大変なときなのでぜひ、頑張っていただきたい」と述べたそうだ。それに続いて記者からは沢主将は「首相へのアドバイスは」と質問が出たらしい。それに対して沢主将は「ないです」と返答したとあった。

 

 質問した記者は沢主将にどのような答えを期待していたのか。首相にもっと統率力を発揮してほしいというような型に嵌った答えを求めていたのか。それとも若い女性のスポーツ選手だからどうせ大したコメントは出るまいと高を括っておざなりに質問したのか。いずれにしても「首相へのアドバイスは」とは馬鹿げた質問だと思う。それに対して彼女が「ないです」と答えたのは正直で賢明だった。そう答えても決して政治に無関心なスポーツバカとは思わない。質問をした記者のほうが愚かしい。

 

 いろいろな場面で、いろいろな人に新聞やテレビの記者が質問するのを見聞きするが、中には虎の威を借りるような態度の者もいる。このような者に限って礼儀をわきまえず横柄、生意気なのがいることは、私自身も経験して不愉快な思いをしたことがある。

 

 マスコミの前線にいると、何かある種の権力を持っていると錯覚を起こすようになるのか。記者たる者は、常に謙虚で知的であってほしい。