中国では最近急激に物価が上昇しているようだ。西安の李真は「上がり過ぎ」と嘆いていた。6月の消費者物価指数の上昇率がおよそ3年ぶりに6%台の高い水準に達し、中国政府は、金融の引き締めに向けた動きを強めているにもかかわらず、物価高を抑えられない状況が続いていると言う。李真は紙のお金を作りすぎだからと言うが、インフレ傾向なのだろう。李真は「爺爺イエイエ(私のこと)がはじめて来た頃(2000年)は余裕があったけれど、今は陳偉(夫君)と2人で働いていても厳しい」と言った。
中国の消費者物価は、去年秋から上昇傾向が続き、ことし3月以降、3か月連続して上昇率が5%を超えていたが、6月はさらに拡大しておよそ3年ぶりに6%台の高い水準に達した。特に食料品の価格の上昇率が14.4%と高く。中でも中国人の食生活に欠かせない豚肉は57.1%、卵も23.3%値上がりしているそうだが、これは庶民にとって痛手だろう。
上海に住む邵利明も値上がりがひどいと言う。レストランで食事しても料理の値段が高くなり、量も少なくなっているそうだ。外食することが多い中国人には不満だろう。衣類なども高くなっているが、毎日買うものではないから、食料品のように肌で感じることはないとも言った。利明の家は回教徒だから豚肉の値上げは関係ないだろうが、やはり食料品全体の高騰は応えるだろう。マンションの価格などは大阪(利明が住んでいた)と変わらないそうだ。
中国政府は、ことしの消費者物価指数の上昇率を4%程度に抑える目標を定めていて、物価の高騰に歯止めをかけるため、去年10月以降、政策金利を5回引き上げるなど金融の引き締めに向けた動きを強めているようだが、これまでのところはっきりした効果は出ておらず、国民の不満が高まっているそうだ。李真や邵利明の言葉からもそれが窺える。うなるほど金を持っている富裕層ならともかく普通の庶民、とくに所得の少ない貧しい層が生活に困るような現状は、最近各地で農民などの暴動が頻発している中で政府にとっても頭が痛いことだろう。