中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

エシャレット

2011-07-25 11:14:16 | 身辺雑記

 近所の青物店エシャレットというものが置いてあるのを見つけた。エシャロットを言うのは聞いたことがあるが実物を見たことがない。エシャレットははじめて聞くのだが、これがエシャロットなのかと思って買ってみた。家に帰って調べてみると、エシャロットとエシャレットとはまったく別物だということが分かった。

 

 エシャロットは中東原産で十字軍がヨーロッパに持ち帰ったとも言われる。鱗茎の皮の色はタマネギに似ている。鱗茎を微塵切りしたものや下ろしたものを臭み消しやソースに用いるそうだ。中国では胡葱(フーツォン)、台湾では紅蔥頭(アンチャンタウ)と呼ばれ、刻んで油とともに強火で炒め、肉など他の食材を加えて炒め物として用いることが多いとのこと。

 

       

 

 エシャレットは生食用に軟白栽培されたラッキョウの商品名で、一年物の早獲りラッキョウに「エシャレット」という商品名を命名したのは東京築地の青果卸業者だった。

             

 

これが商品化された1955年頃はまだ日本で本物のエシャロットが一般的でなかったので問題はなかった。しかし今となっては非常に紛らわしい。日本では殆どの者がこれをフランス料理で使用される本物のエシャロットと混同しているようで、実物を知らない私もこれがエシャロットかと思って買った。当時の名付け親の青果卸業担当者は「根ラッキョウ」の商品名では売れないと思ったのでお洒落な商品名を付けたと語っているそうだが、なるほどエシャロットの図を見ると、似ているとも言える。それでも紛らわしい名をつけたものだと思う。根ラッキョウでもいいのに、何かいじましい命名という感じもする。

 

 エシャロット(Wikipediaより) 

 

 日本では、単にエシャロットと言うと、この根ラッキョウ(エシャレット)を指すことが多いので、本物がほしい場合はベルギー・エシャロットなどと表示されているものを選ぶといいようだ。このあたりのデパートやスーパでは見かけたことがない。

 

 買ってきたエシャレットを生のままもろみ味噌を付けて丸齧りして食べたが、それはそれとしてまずまず美味いと思った。マヨネーズで食べてもいいようだ。静岡県の遠州地方で特に多く栽培、消費されていて、初鰹の付け合わせとして欠かすことのできないものになっているそうだ。