Hさんは種から育てた綿を描かれました。
「ことことこっとん」 日本画 F10
背景いちめんに広がるすがすがしい青色は
にじみ止めのドーサをひいていない楮紙に
水干絵の具を染み込ませて出した色。透明感と深みがあり
盛夏の空と海の底のような独特の味わいがあります。
向かって左が綿の花、右側が実りで葉が紅葉しています。
近づいてみました。
墨と胡粉で描きこまれた無彩色の綿の葉、実り、家並みが
美しい流れをつくっています。色づいた葉の優雅な表現は
画面全体をより鮮やかに輝かせています。
植物の成長だけでなく時とともに移り変わっていく街や
人の暮らしまで考えさせられる、イメージの広がる作品です。
近作は堅牢さと軽妙さが加わり、今なお変化し続けておられます。
過去の作品はHP「上郷の森 日本画教室」内の“作品集”の中の
Hさんのページにたくさん掲載されています。ぜひこちらもご覧ください。