臨床の砦(夏川草介 小学館文庫)
内科医の敷島が勤務する長野県の信濃山病院はコロナ患者を受け入れていた。第3波の頃、大量の感染者が殺到する。周辺の病院はほとんど対応しておらず、しようともしない。信濃山病院は、無理矢理感染者用病床を拡大して対応しようとするが・・・という話。
著者の実体験に基づく小説で、概ね実話のようだ。このためストーリーの起伏はあまりないのだけれど、当時、感染の矢面に立たされた医療従事者の緊迫感や慨嘆がひしひしと伝わってくる。
主人公は勤務医で、いわばサラリーマンである。生命の危機に直面し、過労死レベルの勤務が続いても報酬が増えるわけでも、世間からの称賛を受けるわけでもない。それでもその仕事を続ける理由は何だろうか?
職業的使命感?
医学者としての興味?
同僚たちとの連帯感?
世間体?
それもあるけど、やはり、人間は慣れ親しんだ環境から自らの意思だけで離脱しようとはなかなか思わないからだろう。一言でいうと「それが仕事だから」ということじゃないかと思う。
(逆に「それが仕事だから」という理由で、恐ろしい行為に及んでしまう場合(例えば、ナチスの強制収容所の勤務者)もあるのだが・・・)
内科医の敷島が勤務する長野県の信濃山病院はコロナ患者を受け入れていた。第3波の頃、大量の感染者が殺到する。周辺の病院はほとんど対応しておらず、しようともしない。信濃山病院は、無理矢理感染者用病床を拡大して対応しようとするが・・・という話。
著者の実体験に基づく小説で、概ね実話のようだ。このためストーリーの起伏はあまりないのだけれど、当時、感染の矢面に立たされた医療従事者の緊迫感や慨嘆がひしひしと伝わってくる。
主人公は勤務医で、いわばサラリーマンである。生命の危機に直面し、過労死レベルの勤務が続いても報酬が増えるわけでも、世間からの称賛を受けるわけでもない。それでもその仕事を続ける理由は何だろうか?
職業的使命感?
医学者としての興味?
同僚たちとの連帯感?
世間体?
それもあるけど、やはり、人間は慣れ親しんだ環境から自らの意思だけで離脱しようとはなかなか思わないからだろう。一言でいうと「それが仕事だから」ということじゃないかと思う。
(逆に「それが仕事だから」という理由で、恐ろしい行為に及んでしまう場合(例えば、ナチスの強制収容所の勤務者)もあるのだが・・・)
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