これは、モーツアルト作曲のオペラ
「フィガロの結婚」
の ひとつのシーンで歌われる二重唱。
フィガロのフィアンセであるスザンナを
誘惑しようとしている伯爵をこらしめるために、
伯爵夫人が 召使いであるスザンナ自身に
伯爵を呼び出すための、ニセの手紙を書かせる。
伯爵夫人は
その文面を 思いつくままに
スザンナに語り、
スザンナはそれを 言われたとおりに
手紙に書いてゆく。。。
という場面で、
わたしにとっては
オペラの一場面に初チャレンジ である。
動きまわる役どころでないのが
救いといえば救い だが、
ドンと落ち着いて 優雅でなければならないというのが
また 困ったことで…
”伯爵夫人” それ ダレ??
。。。どうやら、わたしらしい。
落ち着きのない、おどおどしがちな自分を
ここでは 封印しなくては。
お相手は、はじめて一緒に歌っていただく
ともちゃん。
若い、フレッシュなソプラノさんで
その美声にほれぼれする。
オペラの重唱もアリアも 何度も経験されている。
わたしは その胸をおかりするつもりで
今回は 光栄な経験をさせていただける。
…が、
わたしのほうが ”エラそうにみえないといけない”
というのが、なんともハァ。
さて、わたしのうたう伯爵夫人…コンテッサ は、
声部でいうと 下パート。
ひとりずつ、かわるがわるに歌う部分と、
ふたりで歌うハーモニーの部分とがあるが、
ハーモニーのところは、
モーツアルトらしい、とてもきれいな和音で
なんといっても、そのハモる部分が すきだ。
しかし、
合唱でも
これまで上パートを歌うことがほとんどだったので、
(しかも 楽譜読めないので)
下パートの音とるのが、超ニガテ。
時間もかかるし、
ようやくとれるつもりで 合わせれば
つられるし。
ともちゃんに弾いて録音していただいた、
下パートのピアノを聴きつつ ひとりで練習している時から
音をとるのに苦労苦労。
ぬっくさんとうたうときも、
下パートを歌ってみようとしては
やっぱり アカンわ~
音とるだけで、こんなに苦労してちゃあ…!
つられて自分の音がうたえなくなるばかりなので、
ハモる練習まで なかなかいきつかないよ!
ひとりでうたうソロなら、
いくら時間かけても ゆるされるけど
お相手のいる重唱では それも程度があるし…
というにがい思いを 何度かしてきたので、
最初から とても不安だった。
でも、師匠の
「慣れです 慣れ!」
「練習すればできます。 練習しかないんです」
という言葉を信じて、とにかく 練習した。
自分の音を 自分のからだに吸いこみ
自分になじませる作業をすることでしか、
わたしは 歌えるようにならないので。
そして、それができるようになっても
いざ お相手と合わせると
つられて自分の音が迷子になったりするし、
きれいにハモれているかどうか というのは
また さらなる難しさ…課題がある。
下パートでうたうことに不慣れだという不安もある。
でも、
ハモる楽しさは、誰かと歌ってこそ なのだ。
そして、自分が自分の役割を果たしてこそ。
この、美しいモーツアルトのハーモニーを
ちゃんとつくりあげたい。
いまだに、音に不安がないわけではないけれど、
歌いながら、自分が自分の出す音に迷って
躊躇していては うまくいかないことがよくわかった。
これに関しても、
ピアノのM野先生が アドバイスを下さった。
「相手の音なんて、
相手によっても その日によっても変わるでしょう。
でも、ピアノの和音は変わらないのだから、
それに ふたりが合わせていくようにしたほうが
うまくいくのよ」
「自分で音を探らないで
このへんに漂っている音をつかむの。
ふたりで聴き合うより
ピアノの和音を聴いて合わせるの」
なるほどな~。
これまで、正しい音、あるべき音を
自分のなかにばかり探していた…と思う。
ピアノに、相手に 合わせるというより
つられないことにばかり必死で。
それじゃ ダメなんだな。
まだできていないことが多くて
不安は残るけれど、
もっとピアノを聴いて
うたえるようにしたい。
さらには、迷いなく、歌いきれるように
もう一歩 かためて本番にのぞみたい。
で、音のこと以外にも
特にオペラでは
そのキャラクターになりきることが必要で…
これがまた わたしにとっては厄介な課題。
「どっちがスザンナか わかれへん!」
とは、誰彼にも 何度言われることか。
つづきは次回に。
またまた M野先生大活躍??です。
名言が多くって!
こころのメモに たくさんとらせていただきました
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