さくら・たわわにたわごと

四季折々、愛しきものたちとの日々と思いを綴ります。

清明・鴻雁北へかえる

2019-04-09 | 今月のことば
桜も満開になりました。
今年は、入学式や入社式の時期に桜も見頃でよかったですね。
人生のたいせつな節目に、彩りをそえてくれたことでしょう。

今の時期は、
旧暦の七十二候では、清明の次候、
「鴻雁北へかえる(がんきたへかえる)」。

清明とは、すべてのものが清らかで生き生きとするころのこと。
若葉が萌え、花が咲き、鳥が歌い舞う、
生命が輝く季節の到来 とあります。
いい季節になりましたね。

新暦では、およそ4月9日~13日ごろで、
日が暖かくなり、雁が北へ帰っていくころ。
夏場はシベリアへ、秋にはまた日本へ渡ってくるそうです。





ここしばらくの間に、続けて訃報がありました。

直接に親しい交流をしている間柄の方々ではなかったのですが、
どちらの方も、それぞれ同好の士といえるお仲間で、
親しく会話を交わしたこともありました。

おひとりは20代の、理知的できれいなお嬢さん。
着物がお好きで、成人の頃から着付けを習って着物に親しんでいらした方で、
ごく最近は、
お友達に飾り結びで帯を結んであげたいのだと、
そのために、あらためて習いに通われていました。
自死だと聞いたときには愕然としました。

もうひとりの方は70代の、ひとり暮らしの女性。
おひとり暮らしではありましたが、
毎週末には娘さんのおうちを訪ねられ、
近所のご友人とも親しいおつきあいがあり、
趣味の声楽・コーラスにも励んでおられ、
活動的に出かけて行かれるかたでした。
入浴中に、天に召されました。

どんな最期も、
そのひとの寿命だと受けとめるほかないのだとわかってはいても、
つらいものがあります。

お嬢さんの、生きておられたらあったであろう、豊かな未来。

おひとりではないさいごを迎えられたかも知れない女性。

生きているとは、生かされているということなのだと、
そんな思いをあらたにします。

あくせくするうちに過ぎる1日。
ぼんやりして、何もしなかったかのような1日。
いろいろありますが、
さいごのときがいつ来てもいいように日々を生きるとは、
なかなかにむずかしいものですね。

今ここ、今日をていねいに生きようと、
何度も自分に言い聞かせます。

先ばかり見すぎずに、過去ばかり振り返らずに。


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