さくら・たわわにたわごと

四季折々、愛しきものたちとの日々と思いを綴ります。

智頭線の旅

2016-07-27 | 旅・自然・動物
先日、旅慣れた友人の案内で智頭線の旅に出かけた。
青春18切符と智頭線1日フリーチケットを使っての日帰り旅である。

旅行の機会も少なくて、
あまりどこへも遠出することはないのだが、
旅やウォーキングはきらいではない。
むしろ、機会にめぐまれればあちこちどこへでも行ってみたい。

今回の智頭は、わたしにとって特別な場所で、
この旅を提案されたときは、即座にOKした。
願ってもないことだったから。

鳥取県八頭郡智頭町…
智頭は、亡き父のふるさとである。

だが、わたしはこれまでゆっくり訪ねたことはなかった。

小学校か中学校に通っていた頃だったかに、
いちどだけ父の運転で出かけたことがあるはずなのだが、
ほんの短時間の滞在だったこともあり、
ほとんど記憶していない。

調べればわかるだろうが、
父の生家の場所も知らないままで行った。

生前の父に、もっと父のふるさとの話をきいておけばよかったと悔やまれる。

車窓からみえる緑濃い山々、田畑、清らかな水がゆたかに流れる川の風景。
シロサギやアオサギの姿もたくさんみえた。
いつも都会の生活であえいでいるわたしは、
こんな風景にほっとする。
ぼーっと眺めているだけで癒されてゆく。

車で出かけることがほとんどだった父だが、
若かりし頃にはこの線に乗って、
こんな風景をみていたのだろうか。
あの川で泳いだりしたのだろうか。

うちの近所で鳴くセミはほとんどがクマゼミだが、
こちらではアブラゼミがたくさん鳴いていた。
セミが地中から地上へ出てくるときの穴を見たのは、
はずかしながら初めてのことだった。
これは途中で立ち寄った宮本武蔵ゆかりの地でのこと。


智頭駅に降り立ち、町を歩く。

智頭は杉の町、ときいていたが、
杉玉をつくることができる工房があり、
その付近のほとんどの民家には、大小さまざまな杉玉がつるされていた。

諏訪神社を参拝し、諏訪泉酒造に立ち寄る。

父もこの参道を歩き、石段をのぼり、神社にお参りしたことがきっとあっただろう。


 「おまえがこんなに酒ずきになるとはなあ。
  わたしのいなかには諏訪娘という地酒があるよ」

いつだったか、鳥取の地酒の諏訪泉というのをのんだよと話すと、
諏訪泉?諏訪娘なら知っているよと父が話してくれたときのこと。

諏訪泉酒造のお店には、父の言う「諏訪娘」もちゃんとあった。

今回のちいさな旅のあれこれを、
父と話しながら、一緒に諏訪娘をのみたかった。

またちがう季節にも、ゆっくり訪ねてみたいと思う。



JRで自宅最寄りの駅からここ、上郡まで。
ここから智頭急行線に乗り換える。



終点の智頭までに立ち寄って歩いた、宮本武蔵駅。昼食もここで。
宮本武蔵の生家やお墓、神社、道場がある。
武蔵の著した五輪書の新訳版を購入する。



これはまあ、話のネタ^^;
智頭の手前の駅だが、降りるほどのものはないらしく、車窓から撮る。
なんでも、全国に「恋」がつく名の駅は4つしかないらしく、それらの鉄道会社が集まって
「恋駅プロジェクト」を立ち上げたとか。
ちなみに、「恋」のつく駅は
JR北海道:母恋(ぼこい)駅、三陸鉄道:恋し浜駅、西武鉄道:恋ヶ窪(こいがくぼ)駅
そしてこの、智頭急行:恋山形(こいやまがた)駅 とのことです。





智頭線でなく、JRのほうの駅表示と駅を撮ってしまったようです。。。



諏訪神社。



諏訪泉酒造の梶屋さん。

帰りには、途中の駅あわくら温泉で降りて、日帰り湯で汗を流しました。
連れて行ってくれた友人に感謝します。


   若き日の父をさがした智頭の町  さくら





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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
正人さんへ (さくら)
2016-07-28 22:13:43
はじめまして。
読んでくださり、うれしいコメントをいただきましてありがとうございます。
わたしが初めて訪ね歩いた父のふるさと智頭の町、
そこで正人さんも生まれ育ったのですね。
諏訪酒造や諏訪神社が遊び場でしたか。
「また来んさい~」「また来るけえのう」
の言葉があたたかい町ですね。

こちらこそ、どこかでおあいできましたならどうぞよろしくお願いいたします。
その時はぜひお声をかけてくださいね。
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智頭町 (正人)
2016-07-28 20:51:34
初めまして。川柳誌の誌上ではいつもお名前拝見しています。お父様の出身の智頭町を訪問されたと聞いて、智頭町出身の私としては思わず一言入れたくておじゃましました。諏訪酒造から歩いて1分のところに住んでいましたので諏訪酒造、諏訪神社は私の遊び場でした。しかし智頭町を離れて随分と時が立ち、両親が亡くなった後、誰も住んでいない実家が未だに残っています。いい事も悪い事も全て含めて故郷の記憶。またどこかの句会で会えるかも分かりません。その時はよろしく。
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