『ありゃ~、忘れてるがな、抽選会場の準備の時間が迫ってるがな』と、慌てて店を飛び出しました。
今日は、日高町商店会の歳末大売出し福引抽選会の一日目、抽選会場の設営は朝は早くて8時半からの集合ですね。
商工会館から抽選会場までの、机や椅子やいろいろ準備の品物を積んで走るはいつも、当店のトラックの役目なので、慌てて慌てて駆けつけました。
残念でした。たった5分の遅刻でしたが誰やらきちんと運んでる、『申し訳ありません』と謝って会場準備をいたします。
商店会の役員は時間を割り振り当番で、私は正午から一時間、お客様の相手をニコニコ・ニコニコいたします。
ガラガラ抽選器を眼の色変えて、一生懸命回すお客様「20回もしたのにこれだけか~」とおばあさんは叫びます。
『なに云っとんさるか、特等のミカンが二箱も当たってるのに最高の出来と違うかね、おばあさんは森山からどうして来たの?、どうしてミカンを持って帰れるの?』、なんて聞きます楽しいですね。
「歩いて来たのに、こんな重たい賞品貰ってタクシー呼ぶわ」と、本当にタクシー呼んで帰ります。
早朝に慌てて走る堤防道路のずっと先、妙見山はうっすら白く雪景色、麓にたなびく白い雲、円山川の蓼川井堰(たでがわいせき)の水しぶきがキラリと光り、わが故郷の初冬は実に景色がいいですね。
円山川の国府の里の岸辺に延々と続く河畔林(かはんりん)は、全国的にも有数の距離と規模とを誇ります。
国府を流れる円山川は、昔は蓼川(たでがわ)と呼んでたそうで、有名な和歌にも残っています。
「朝まだき空櫓(からろ)の音の聞こゆるは、蓼刈る舟の過ぐるなりけり」という和歌ですね。
この和歌は、金葉和歌集に頼光と夫人(相模母)の連歌として紹介されているものです。
わが日高町上郷(かみのごう)に、頼光寺(らいこうじ)というお寺があります。
源頼光(みなもとのよりみつ)と縁があるお寺と伝えられています。
京の都で狼藉をはたらく鬼たちを、大江山で退治したというおとぎ話がありますね。
そのときの主人公が平安中期の武将源頼光、坂田金時(さかたのきんとき)や、渡辺綱(わたなべのつな)を家来に引き連れ、酒呑童子を退治したと云う伝説です。
但馬の隣、京都府大江町には鬼にまつわる場所や建物、モニュメントが存在します。
その源頼光が、西暦1000年(長保2年)に但馬守に任ぜられました。
源頼光は任地に住み、実務に当たる受領(ずりょう)国司でしたから、上郷に館を構えていたわけです。
任地の上郷の館の前は、気多川(円山川)と云ったそうですが、その当時「蓼」が生い茂り、それを刈り取る様子を見て詠った和歌といわれています。
それ以来、「蓼川」と呼ばれるようになり今に至っています。
そんな由来を秘めた円山川の初冬の朝陽はまぶしいですね。
《恒例の ガラガラポンに 大笑い》