「よう来んさりました」の看板)
お客様に毎月、「アトム特選品カタログ」や、今回のように売り出しの「ご招待状」を配りながら感じます。
『こんにちわ~、いつもありがとうございます』と、玄関で声をかけ、
『今日は良いお天気で・・・・』とか、『いつもお元気ですね~・・・・』とか、まずはご挨拶をしてからお客さまに語りかけます。
そんな時のお客様の反応は実にまちまち、百人百様、
訪問をニコニコ歓迎の方あれど、「そんなに毎回いいのよ」と。やんわり迷惑顔の方もあり、こちらも毎回のことですから、お客様の空気に合わせて丁々発止の会話です。
八鹿町の山の中、Tさん宅を訪ねると留守番のおばあさんが杖をついてのお出迎えです。
「若いもんは、今そこらを散歩中だよ~」から始まって、
「魚釣りに行った兄貴は、釣ってきた魚を弟に気前よくやってきた」が、どうのこうの、
「近所のAさんは、旦那を介護施設に預けて気楽にどうのこうの」とか、何やらかんやら次から次へとお話です。
私は、『よ~くわかりました。若いもんに案内状見せてね』とお願い、
するとおばあさんは、「私のテレビ、新型ほしいわ。チラシをそっと広げて若いもんが見るようにしておくわ」です。
一軒にそんなに時間がとれません、
『まあ、まあ、とにかくよろしくね』と退出です。
帰り道、浅倉トンネル手前の国道には、大阪方面から豊岡・城崎へ向かう観光客に、
「よう来んさりました」のごあいさつの看板です。
「よう来んさりました」とか、「よう来んさった」とか、「よう来んさりましたな~あ」は、独特のイントネーションと響きを持つ、とってもやさしい但馬弁なのです。
電気屋が訪問する先々でも、心からの「よう来んさりました」のお客様、
でも、Tさんのように喋りまくる気のいいおばあさんには、つくづく閉口いたします。