嬉(うれ)しさは いいねいいねと しみじみと 同居の我が家 褒められるとき
チャイムの押釦(おしぼたん)を取り替えながら、
『Mさんちは、奥さんとあとは何人暮らし?』と尋ねます。
一年ほど前に、初めて洗濯機の修理に伺って、その後いろいろとご贔屓のMさんちは、
確か、ご主人がその頃お亡くなりになったと聞いていました。
その後も、ご用で訪ねた時に、若いご夫婦が居らっしゃったように思います。
今日は、チャイムが鳴らないとの電話で駆けつけて、
「電池は新しいのに取り替えたのに、ボタン押しても鳴らないの」とおっしゃる奥さんの心配を、
『ハイ、本体のショートで鳴りますね。押しボタンのショート鳴りますね。釦(ボタン)押して鳴らない、この押釦が傷んでいます。持って来てますハイ取り替えましょう』と一発解決いたします。
「この家一人ぼっちよ。息子はあの時は帰っていたの。私ひとりなの」、
「息子二人とも出てるの。兄ちゃんの方は嫁さんの実家近くに家を建ってしまってるし、アトムさんとこと同級の下の子は、遠い関東の方で帰ってこないし、この大きな家一人ぼっちなの」とおっしゃいますね。
『どこのお家も、よ~くあるパターンですね。年をとってお母さん一人ぼっちの生活寂しいでしょう』、
「そうよ、独りポツ~んと、こんな大きな家に広い屋敷。草取りだけでも大変よ。アトムさんとこみたいに同居羨ましいわ。ほんと物凄く羨ましいし、仲良し感心するわ」と、しみじみしみじみお話ですね。
Hさんちからの電話で駆けつけました。
「せっかくリホームしてエアコンも付けてもらったけれど、若いもん出て行ってしまったの。お嫁さんが息子連れて出て行ってしまったのよ、いろいろ事情があったの」と、ご主人亡くしておばあちゃんを看ながら、二人暮らしになってしまったHさんちの奥さんは、ポツリポツリとお話です。
『まあまあ、せっかく同居だったのに事情があったんでしょうか。
でも、娘さんが子供産みに里帰りって嬉しいじゃないですか。エアコンの掃除しっかりとしておきましょう』と話します。
「アトムさんアトムさん。郵便の宛名を息子から私のに変えといて。息子宛てになってたもので、引っ越した方にアトムさんの便りが行ってしまうの」と、
最近めっきり来なくなったお便りチラシの宛名を、変えてと頼まれるのです。
「物凄く楽しみに毎月読んでいるのよ。
アトムさんとこの息子さんやお嫁さんに子供さんたち。同居の仲良しを凄く羨ましく読んでいるのよ」、
「本当にいい家族だなあ、すばらしい電気屋さんの同居の家族だなあ。
いいねいいね、ほんと羨ましいわ感心してるの」と、しみじみしみじみ涙声で、話してポツリと「 “本当に電気屋さんていい家族ですわ” 」と同居の我が家を褒めますね。