昨日ファイナンス研究会で
「私の実践経済学・・・高橋亀吉著を読む」の3回目の講義を。
高橋さんのような経済学者がほしい!!
自分の頭で考える学者が・・・・・
45年が過ぎた「あじさいの古木」です。
青々していたのですがこのところの寒さで、
葉がちぢこまる。
もちろん春には芽を出しますが。
他の「あじさい」も寒さで。
高校生の社会の教科書から。
戦後の復興から現在までコンパクトに学べる。
高校生の教科書は宝の山。
高度成長期が書かれています。
高度成長のひずみが書かれています。
バブル不況と長期不況が書かれています。
戦後から現在まで
目まぐるしく変わる世の中。
どこへ行くのか?
昨日は
今月2回目のファイナンス研究会の例会。
118回目の講座になります。
私の実践経済学・・・・高橋亀吉著を読む
講師は
安達正紀先生(福島県金融広報委員会アドバイザー)でした。
経済学・学者の診断は
当たらないことで有名なのですが、
高橋亀吉さんは
大正から戦後まで
よく当たる経済評論家・学者として名をはせた人で、
他の方の説から論文を書くのではなく
現実の社会から自分の頭で書くのが高橋流。
当然引用はほとんどない。
今回は3回目。
1.7講:景気波動と経済の構造的変化とを峻別せよ
①経済指標の表面的動向よりもその原因を
②現時点(五〇年上期)における景気観測上の着眼点
③景気の波動か、経済発展力自体の変動か
④経済発展の転換期に陥りやすい錯覚
の中で
景気というものは
その根本原因からみて行かねばならないのである。
指標の単なる表面的動きのみにとらわれていては、
その真相をつかめないのである。
日本の経済が非常に発展している段階では、
その伸びる力そのものを重視すべきである。
その逆に成長力が低下する時には、
その低下の圧力その物を重視しなければならない。
単なる景気減少として、
これをみるならば、
高度成長期においては景気力を過小評価することになるし、
低成長への転換期には、
景気力を過大評価してしまうことになるのである。
と経済の実態を見て判断することを問うています。
2. 8講:金融問題吟味のポイントと着眼点
①慎重という名の「政策遅れ」の大弊害
②金利引き下げ効果は時と場合とで違う
③現象の背景・原因の異動を常に吟味せよ
④経済基盤変革期に陥りやすい重大誤謬
経済診断と病気診断には類似点がある。
医療の方では病気には早期発見、早期治療がという考え方が当たり前となっている。
ところが、
経済という病気に対する医者であり診療を施すべき政策当局は
どうもその早期治療というものを、
いつも忘れておられるのではないかと思える。
経済の生の兆候を早くつかみ、洞察力を働かす代わりに、
統計上に症状がはっきり現れ、
だれの目にもあきらかに発病したとわかるまで手当てしようとはしない。
政策当局が情勢を見るというとき、
それは主として統計に表れた情勢を見てからということを意味する。
と現在と変わらない
政策当局者の姿勢を喝破しています。
今回はここまでですが、
上記の項目内容で、具体例が書かれていますので、
時代は変わっても
政策当局の現実を見抜く力よりも統計重視による
現実の政策遅れによる弊害を
鋭く追及する姿には
胸がすかっとするほど面白い講義となりました。
政府等の間違いの例は
約40年前と変わらないのに
毎回の講座で学ぶ中で驚かされます。
現在の経済を見る時に
大事な視点を学ぶことができました。
また今回の講座では
上記写真のように
高校生の教科書から
戦後日本の経済発展と産業構造の変化のコピーによる講座もされ
簡単に日本の戦後復興から現在までの姿を学べました。
安達先生
丁寧なレジメありがとうございました。