10月25日、アスピリンという血小板の凝集を防ぐ薬は女性の脳梗塞の発症率と男性の心筋梗塞の発症率を下げることをお伝えしました。アスピリン以外にもパナルジンという血小板の凝集を防ぐ薬があります。
今回はこの薬が脳梗塞の予防にどれだけ有効かという報告です。
The Canadian American Ticlopidine Study (CATS) in thromboembolic stroke.
Lancet. 1989;1:1215.
(インパクトファクター★★★★☆、研究対象人数★★★★★)
脳梗塞を発症した1,072人をパナルジン500mg/日投与群と非投与群に無作為に分け3年間調査しました。パナルジン投与群では投与は脳梗塞の発症1週間から4カ月後でした。
結果は、パナルジン非投与群では脳梗塞と心筋梗塞の発症と動脈硬化による死亡は年間15.3%でしたが、投与群では10.8%と有意に減少しました。効果は男性でも女性でも同じでした。副作用として1%に重篤な白血球減少が認められ、2%に薬疹が認められました。副作用は内服を中止することで改善されました。
一度脳梗塞を発症した患者さんでは、パナルジンを投与することによって、脳梗塞の再発と心筋梗塞の発症と動脈硬化による死亡が4.5%予防できるということです。一方、重篤な副作用も100人に1人認められるので、投与開始時期には定期的な血液検査が必要です。
副作用には、その他血栓性血小板減少性紫斑や肝障害があり、日本でそれぞれ5~6人の死亡例が認められています。しかしこれらの副作用は投与開始時の血液検査で重症化を防ぐことができますので、厚生労働省はパナルジン投与開始から2ヶ月間は2週間ごとの血液検査の徹底を警告しています。
以前お伝えしたアスピリンの場合は、一度も脳梗塞を発症していない方も含めて調査されていましたので、10年間に脳梗塞を発症したのがアスピリン投与群0.8%、非投与群1.1%と発症率は低いのですが、一度脳梗塞を発症した患者さんを対象にすると再発率はかなり高いことがわかります。
パナルジンは日本では1日200mgが常用量ですが、この報告のように1日500mgを使用すると、100mgが現在円ですから、1人の脳梗塞の再発と心筋梗塞の発症と動脈硬化による死亡を予防するのに815万円かかります。
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今は何位かな?
今回はこの薬が脳梗塞の予防にどれだけ有効かという報告です。
The Canadian American Ticlopidine Study (CATS) in thromboembolic stroke.
Lancet. 1989;1:1215.
(インパクトファクター★★★★☆、研究対象人数★★★★★)
脳梗塞を発症した1,072人をパナルジン500mg/日投与群と非投与群に無作為に分け3年間調査しました。パナルジン投与群では投与は脳梗塞の発症1週間から4カ月後でした。
結果は、パナルジン非投与群では脳梗塞と心筋梗塞の発症と動脈硬化による死亡は年間15.3%でしたが、投与群では10.8%と有意に減少しました。効果は男性でも女性でも同じでした。副作用として1%に重篤な白血球減少が認められ、2%に薬疹が認められました。副作用は内服を中止することで改善されました。
一度脳梗塞を発症した患者さんでは、パナルジンを投与することによって、脳梗塞の再発と心筋梗塞の発症と動脈硬化による死亡が4.5%予防できるということです。一方、重篤な副作用も100人に1人認められるので、投与開始時期には定期的な血液検査が必要です。
副作用には、その他血栓性血小板減少性紫斑や肝障害があり、日本でそれぞれ5~6人の死亡例が認められています。しかしこれらの副作用は投与開始時の血液検査で重症化を防ぐことができますので、厚生労働省はパナルジン投与開始から2ヶ月間は2週間ごとの血液検査の徹底を警告しています。
以前お伝えしたアスピリンの場合は、一度も脳梗塞を発症していない方も含めて調査されていましたので、10年間に脳梗塞を発症したのがアスピリン投与群0.8%、非投与群1.1%と発症率は低いのですが、一度脳梗塞を発症した患者さんを対象にすると再発率はかなり高いことがわかります。
パナルジンは日本では1日200mgが常用量ですが、この報告のように1日500mgを使用すると、100mgが現在円ですから、1人の脳梗塞の再発と心筋梗塞の発症と動脈硬化による死亡を予防するのに815万円かかります。
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