
ブクログより
大西暢雄さんのドキュメンタリー、ホハレ峠を読んで、関連本を探していて見つけた一冊。
ホハレ峠は徳山村の門入出身のおばあちゃんを追ったもの、増山さんは徳山村の戸入出身。
徳山ダムの話が出て何十年、いよいよ村が取り壊され、着工という段になり、居ても立っても居られなくなり、それまでフイルムの出し入れもわからなかった人が、カメラを手に取り、夢中で撮りためて来た写真集。
その時増山さん61歳、「もうこれらがなくなってしまうんだなぁ」と写しても写しても限りない愛着がわいてきて、アルバムは500冊にもなった。
ビルマインパール作戦で行方不明になった夫が帰ってきたときに、せめて写真だけでも残してやりたいと。
季節季節の村の行事、田畑の仕事、何気ない日常の一コマ、そこに写る人々の底抜けに明るい笑顔。
一方、爛漫の桜の下で作業をしている重機、ワイヤーをかけて引き倒される家、首の長い怪獣が大きな口を開けてまさに獲物に食らいつこうとしているかのような写真、家を壊すときにご先祖様に申し訳ないと、石碑に晒をぐるぐる巻きつけた写真など、増山さんが涙でファインダが覗けなかったとおっしゃっていた写真たちも、ちゃんと写っている。
増山たづ子 徳山村写真全記録 / 増山たづ子

ブクログより
農繁期には、隣近所手伝いあい。
作物が採れたらおすそ分け。
雪に閉ざされたら、食べ物を持ちより集まり。
婦人会、老人会、盆踊り、まるで村中が家族のような付き合い方。
神社の神様もお引越し。
どんな思いで村を出て行かれただろう。
それぞれ皆さんが断腸の思いで村を去り、そして建設されたダム。
そんな用水が、大切に有効に活用されることを願うばかりです。
ありがとう徳山村 / 増山たづ子