今夜も本をまくらに。

山歩きが好き、落語が好き、おいしい物が好き、中島みゆきが好き、
でもやっぱり活字がなければ生きていけない私。

リバー

2025年03月02日 | 「本」のひきだし

ブクログより


図書館にリクエストして2か月余り・・・
やっと手にした本は、最近手にしたこともないほど厚い。
650ページほどもある大作。

何の予備知識もなく読み始めた。
奥田英朗ってミステリー書いたっけ?
重すぎてテーブルに置かないと読めない。
ベッドに入って読むなど一苦労。
でもどんどんのめりこんでページを繰る手が止まらない。
10年という時を経て、同じ手口の殺人事件をめぐり、警察、マスコミ、容疑者、そして被害者の遺族、それぞれの観点から描かれる、それぞれの思い。

10年前の事件担当で、結局犯人を上げられなかった刑事、そして新たな事件担当の刑事、新人の新聞記者、娘を殺され、独自に犯人捜しを続ける父親、犯罪心理を専門とする大学教授、そして容疑者。
どの人物もリアルにわかりやすく映像化できて、ほぼ一気読みで楽しませてもらった。



リバー / 奥田英朗

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無人島のふたり

2025年02月23日 | 「本」のひきだし

ブクログより



「自転しながら公転する」を読んで、ちょっと感銘を受けた作家さんでした。

亡くなられたことは知っていて、今回このような本が出たことも知っていましたが、ちょっと読むのに覚悟がいるというか、人の闘病記を気軽に読んでいいのかなど、いろいろ思ってなかなか手に取ることはなかったのですが、ある日偶然目の前にあって・・・
読ませていただきました。

別に必要に迫られて書かれたわけではないと思いますが、残さずにいられなかったんだろうな、作家として。
書くと決めたら、という感じでかなり詳しく細微にわたり、読んでる方まで苦しくなるくらいの描写で辛かったです。

「今は無人島にふたり(文緒さんと夫さん)いるけれど私はいなくなり夫は本島に戻っていく・・・」ご本人も辛いけれど、寄り添われた夫さんの気持ちもはかり知れません。


無人島のふたり 120日以上生きなくちゃ日記 / 山本文緒

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雪に生きる

2024年10月31日 | 「本」のひきだし

ブクログより


猪谷六合雄と書いて「いがやくにお」と読む。
私はこんな人は今までに知らない、周りにもいないし、見たことも聞いたこともない。

どんな人かというと、一言でいうなら「スキーに人生をささげた人」とでもいえばいいのか・・・
明治23年に赤城山のふもとで生まれる、家は宿屋をしていて、父は赤城神社の神主をしていた。
大正3年ごろ、山にスキーの2本のシュプールを見つけ、自分もやってみたくなり、木を削って板を作り、トタン板と針金でビンディングを作り見よう見まねでスキー板らしきものをこしらえ滑ってみたのが始まり。
以来生涯を通してスキー第一人生が始まったのだ。

雪のある季節はとにかく滑りまくる、途中からはジャンプに目覚めて、シャンツェ(ジャンプ台)作りから手掛ける。
雪のない季節は、ゲレンデの整備、藪を刈り払い木の株を掘り起こし、整地。
後各地を回って、スキーにより適した場所を探す。
一年中、毎日スキーのことばかりだ。

そして適した場所を見つけると、その場に家を建てて住んでしまう。設計から建築の大半はすべて自分や家族でやってしまう。
地権や移住に関しての細かいこともいろいろあるだろうに、昔のことだからあいまいな部分もあるのか・・・
赤城から千島列島の古丹消、それから赤城に戻り最後は乗鞍へ落ち着く。
すべてスキーをするためである。

家族構成は?と思っていると、途中から奥さんが出てくる、千島時代に2人の男の子が生まれるが引き上げてすぐ、下の子供を肺炎で亡くす。
とまぁ、家族も巻き込んでのスキー行脚である。
良くついていくものだなぁと感心していると、奥さんは二人目で、やはり初めての奥さんはつき合いきれなかったのだろう、書かれてはいないが。

息子さんのあとがきで、小さいころから、スキーを滑らされて、ゲレンデ整備などにも駆り出され、自分には楽しい記憶は少しもない、でもオリンピック選手にまでなれたのは間違いなく父親のおかげだと、最後は感謝しておられた。

私が猪谷さんにたどり着いたのは、冬の靴下の編み方、なのです。猪谷さんが考案された編み方が紹介されていて・・・何でもされる人なのです。
読み終わったので、これから挑戦しようと思います。

私が読んだのは、1980年発行の 岩波少年文庫です。


雪に生きる / 猪谷六合雄

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SHO-TIME 大谷翔平 メジャー120年の歴史を変えた男

2024年09月22日 | 「本」のひきだし

ブクログより


またもや大谷翔平。
これは今までで一番読みごたえがあった。

著者はエンゼルス番記者として10年目を迎える、メジャー取材歴24年で米野球殿堂入りを決める投票資格も持つ。
大谷の取材に対しては、MLBルーキーイヤーから4年間にわたって密着取材。
アメリカで最も大谷選手を取材している記者とされる。

メジャー以前の、大谷選手が育った岩手での様子から日ハムとの交渉の様子(語りつくされているが)事細かに取材されている。
メジャーデビューしてからは、時系列に語られているが、数字と実績を羅列するだけではなく、その時の監督とのやり取り、相手チームの反応、大谷選手の心境など、全部の試合を見ていたなら、かなり興味深いものだろう。

素晴らしい、すごい!と手放しで絶賛するわけでもないが、言葉の端々にそれは表れているし、敬意をもって取材してきた様子がうかがえて余計感銘を受ける。

先ごろもホームランと盗塁50-50という記録を達成、まだまだ記録更新中。
アメリカに来てからの念願だったというプレーオフ進出も決めて、その活躍にますます目が離せません。


SHO-TIME 大谷翔平 メジャー120年の歴史を変えた男 / ジェフ・フレッチャー

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美しいものを見に行くツアー ひとり参加

2024年09月14日 | 「本」のひきだし

ブクログより



「一回きりの人生。行きたいところに行って、見たいものを見て、食べたいものを食べるのだ」
帯のこの言葉に大きく頷くのでした。

40歳になった時、こう決心した作者は即、旅立つのでした。
北欧へオーロラを見に行き、ドイツのクリスマスマーケットを見に行き、世界遺産のモンサンミッシェル見学、ブラジルへリオのカーニバルを見に行き、台湾で、平渓天燈祭に参加など、約十年間かけて訪れたところ。

何ともパワフルです。
すべて一人でツアーに参加。
計画が立てやすいし、思い立ったらすぐ行けるし、一人というのは気楽な反面、同行にツアーの人たちに変に気を使われたり、美しいもの、おいしいものの感動を分かち合える人が側にいないのはちょっと寂しい気もします。
でも同じく一人参加の高齢の女性の「旅行は遠いところから行っとくといいのよ」というアドバイスに納得するのでした。


美しいものを見に行くツアー ひとり参加 / 益田ミリ

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