先日、境内の井戸に手押しポンプを取り付けました。
もともとこの井戸は境内の中心にあり、昭和40年代ごろまでは、お墓参りの水桶用として、つるべで水をくみ上げて使っていました。
夏にはネットでスイカを丸ごとつるして冷やして食べたりしていましたが、冷たくておいしかったですね。
当時のことを知っている人も「今でもあのおいしさは忘れられない」と言っています。
冷えすぎずにちょうどいい温度とでも言うんでしょうか、冷蔵庫で冷やすのとは一味違うんですね。
しかし、つるべを作ってくれる職人さんがいなくなったため、井戸には蓋をして、電力ポンプで水をくみ上げ、少し離れた水場で蛇口から給水するように変更しました。
今もその状態で、水桶用に使ったり、ホースを接続して境内の植木や畑の水やりにも重宝して使っています。
でも、災害時に電力が止まってしまえば、くみ上げられませんから、手押しのポンプがつけられないものかと思っていたのです。
もちろん今まで通り、電力でくみ上げて蛇口からも水は出ますし、手押しポンプを使うこともできるという2通りの使い方ができるようになりました。
災害時には、飲料水とともに生活用水も不足することが予想されます。
飲料水なら、3日分くらいはペットボトルで売っているものを備蓄することは容易ですが、トイレに流したり、洗い物をしたりする生活用水となると、ある程度の量が必要ですから、大変です。
でも、これなら生活用水に困ることはありません。
この近所はお年寄りの一人暮らしの方が多いですし、災害時に遠くの給水所から水を運んでくるのは大変です。
近くに簡単に水が確保できる設備があれば安心です。
昔からこのあたりは住宅地で、水道がひかれる前に使われていた井戸が幾つもあったのですが、使われなくなって放置されたり、埋められてしまったものがほとんどです。
それらがすべて使える状態なら、災害時に非常に役立つのですが。
清運寺が地域のために出来ることは何か、そのひとつの答えがこの水の供給です。
災害時にはお寺に行けば、水がある。
その安心感だけでも効果があるような気がします。
でも、それよりも当面は物珍しいので、子供のおもちゃになってしまうかも知れません。
それとも、懐かしく思う大人が水桶に水を汲むのに使われるのでしょうか。
反応はどうか?しばらく様子を見てみることにしましょう。


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