ちょっと日が空いてしまいましたが、前回の続編。8月18日に介護保険良くする会が鶴岡市と交渉をおこないました。そして今日その継続で再交渉がおこなわれました。
既報の通り、今年4月から実施された介護保険制度「改正」で、福祉用具貸与を受けていた人の内、「軽度」とされた方は10月から用具の利用ができなくなります。(「取り上げられる」と言うしかありません。)
現在貸与されている用具は、「車イス及び付属品」「特殊寝台及び・付属品」「床ずれ防止用具及び体位変換器」「認知症老人徘徊感知機器」「移動用リフト」「手すり」「スロープ」「歩行器」「歩行補助つえ」の9種類に分けられますが、このうち最初の5種類が「軽度者の方については、身体の状況に照らして、一定の条件に当てはまる場合を除き、介護保険での保険給付がおこなわれません」とされてしまいました。
鶴岡市でも、貸与の対象から外される可能性のある方が、車イス74人、ベッド321人、床ずれ防止用具10人、移動用リフト20人などとなっています(5月利用分。徘徊感知機器は0)。
こうした中で、良くする会が要望した事項は概略以下のようなものです。
☆福祉用具貸与の制度変更を利用者に対して、市として責任を持って説明すること。
☆制度変更の影響をただちに調査すること。
☆給付の判定にあたって、用具使用の必要性を国の指導で機械的にうち切るのではなく個別的に十分考慮すること。
☆車イスの貸与は、厚労省通達を弾力的に運用して、救済を図ること。
☆給付の制限を受けて介護用ベッドを使用できなくなる人に、無償又は安価で貸し付ける制度を設けること。
良くする会からは、実際に用具貸与を受けている方(82才、視覚障害の男性)も参加、
「要介護1・片麻痺の66才の女性は、ベッドと手すりの貸与を受け、身体機能を維持したいという一心でリハビリを頑張っている。『ベッドを取り上げられ、リハビリ通院も制限されたら・・』と希望を失いかねない」
「寝たきり予防のための改正などと言うが、ベッドや車イスを取り上げて寝た切り予防になるのか?」
「要支援にされて用具が取り上げられる人が、『要介護度が重くなって(用具貸与が継続されて)良かった』という話になっては本末転倒ではないか。」
「救済制度を設けるのに必要な財源は数十万円で済む(今年度)」
などなど、実例も示し、介護保険制度のそもそも論から説き起こして市に迫りました。
市は「良くする会以外からは、要望が無いので、制度改正は市民に理解されていると思う」
「介護保険の判定基準を変えて救済することはできない」などとも述べましたが、「(介護保険制度外の)独自制度の創設は研究していきたい」
「車イスは、日常的に使用している人には、貸与が継続するようにしていきたい」と回答、重要な前進となりました。
私は、この問題でケアマネージャー、ヘルパー、利用者など、多くの方々の声を聞き、こんなにひどい改悪をよくも「寝たきり予防」などと強弁して推進したものだと、怒りとともに、心底あきれてしまいました。
「誠実な言葉で語ること」は、政治家に第一に求められることであり、今回の自体(そして小泉内閣の政治全般)はその最低限の条件を満たしていないと感じました。