体罰問題が大きな社会問題となる中、とりわけスポーツ分野で瞠目する動きが起こっているようです。
桜ノ宮高校の体罰問題に関しての野球の桑田真澄氏の発言は、トップアスリートとしての体験と、かつスポーツの科学的研究に基づくものとして、大きなインパクトを与えました。
続いて、柔道界でナショナルチームレベルでの告発が空前の衝撃を広げる中で、今日付けの朝日新聞に掲載された、女子柔道の先駆者である山口香さんのインタビュー記事に感銘しました。
(記事の写メを掲載しておりましたが、著作権法に受抵触するため、2022年7月7日に削除ました)
山口さんは、15人の選手たちの告発を最初にけ止め、全柔連に問題してきたことを公表した後に、
「日本の女子柔道が長い時間をかけて強くなってきたのは、選手一人ひとりが力を合わせて切り開いてきたからです。決して暴力的な指導をしたからではない」と断言。
そして全柔連が告発を無視した時点で、
「ここからはあなたたち(告発した選手)自身でやりなさい」
「あなたたちは何のために柔道をやってきたの。私は強い者に立ち向かう気持ちを持てるように、自立した女性になるために柔道をやってきた」
と、自分たちで考えて、行動する(あるいはやめる?)ことを求めたこと、
「選手の自立を助ける。それがスポーツでしょう。選手は臆せず意見をはっきり言える人間に成長しているんです」
「柔道はもともと相手を倒す戦闘目的のものでした。・・ところが柔道の創始者、嘉納治五郎師範は、そこに疑問を持ち、指導方法を体系化して安全にまなべるものにしました。強くなるには『術』が大事だが、それが目的ではないその術を覚える過程で自分という人間を磨く大切さを説いた。だから『道』になった」
と話しています。
私は、スポーツに於いて、「勝つこと」は大事だがそれは手段であり、それを追求する過程で得るものにこそスポーツの価値があると考えています。
山口さんのお話は、まったく賛成であり、今回明るみに出た通り、遅れた日本のスポーツ風土の中で、率直に言ってとりわけ立ち遅れた柔道の世界において、これだけの見識を持っている方が存在し、堂々と発言されている姿に感銘しました。
こういう「良い話」をスポーツの世界に広げほしいものだと思いました。
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