関とおるの鶴岡・山形県政通信

安心して住み続けられる山形県をめざして、住民の暮らし、県政の動き、そして私の考えと活動をお知らせします。

商工労働観光の課題を考える~常任委員会視察~

2015年07月31日 | 経済と労働
7月21日(火)から二泊三日で商工労働観光常任委員会の村山・置賜地域視察。
午後の最初に、オバマ大統領の婦人がニットを着用したことで評判となった、寒河江市の佐藤繊維株式会社。

県内に有って世界最先端の事業が行われていることにビックリ。
工場に隣接する店舗にも、M &K yokoの服を求めて県外から客が押し寄せるとのこと。
事業を支える人材をどう確保育成しているか質問したところ、「有名になって社長が全国各地で講演するようになったことで、県外から若い人材が次々とやって来た」とのこと。羨ましい好循環です。
お店で大変美しいカーディガンを「奥さまに」と勧められましたが、持ち合わせ(と愛情)が不足していたため買えませんでした。
申し訳無いことです。
他に、県工業技術センターでは、この施設が産業振興のために貴重な活動をおこなってきたことを理解。
もっと内外に知らせていくべきと思いました。

(2500万円の3Dプリンター。今は県内大手が購入しているそうですが、この機械が県で最初に購入され中小事業者に活用されたとのこと)

蔵王温泉観光協会では、火山活動による深刻な被害の応急対策と、中長期的な振興策の両面で切実な生の声を伺いました。

二日目は、でん六(上の山)、KDDI エボルバーやまがたワークプレイス(上の山)、山形食品(南陽)、サクサテクノ(米沢)。
やまがたワークプレイスはコールセンターですが、「これまでのコールセンターの(ダークな)イメージを払拭する会社をめざす」として、施設面では相当の工夫と投資を行い、勤務管理も中々合理的にやっているようです。
私は、鶴岡コールセンターの問題などで「これまでのコールセンター」の深刻な実態を知りましたので、この業界の雇用の質というものには懐疑的なのですが、県が2億8千万円を補助して誘致した同社のチャレンジには、注目していきたいと思います。

最終日は、米沢織物工業組合と、組合で最も由緒あるN社(明治17年創業)に伺いました。
木造の武家屋敷のような建物で、染色から織りまで自社でやっておられました。


木製の織機で、女性の職人さんの手から美しい織物が紡ぎ出されていく様子には吸い込まれるようでした。


機械織りの織機も60年以上メンテナンスしながら直しながら使われていて、「これでなければならない」ということでした。

(これは木製織機)

社長さんは「伝統とは、新しいものを吸収してその時代にあったものを産み出していくこと」と話されました。
若い専務さんに夢を尋ねたら、「伝統を受け継ぎ、米織と米沢とNの名を世に一層知らしめていくこと」と語られました。
また、生産の拡大については、「職人を守り育てながら仕事の質を高めていきたい」とのこと。
私などは産業振興というと、如何に儲け如何に事業拡大するかということにすぐ頭が行ってしまうのですが、本来産業とは、人と暮らしの継続と一体のものであり、如何に良い仕事をするかということを何よりも大切にしなければならないものだということに、改めて気づかされました。

3日間で9ヶ所、ちょっと窮屈な日もありましたが、それぞれの産業・企業の実情と行政への要望など色々理解でき、大変有意義な視察でした。