11月30日に、教育評論家の尾木直樹さんの講演会に参加しました。
子育てと教育がどうなっているか、どうしたらいいのか、日本の社会構造の根本から、国際的な視野から、考えさせられるすばらしい講演でした。
しかし、ステージを歩き回りながらの熱のこもったお話しは実に楽しく、250人を越える参加者みんなが抱腹絶倒の1時間半でした。
これからの鶴岡の子育て・教育を考える方々にとって、大きな財産になったと思いました。
印象に残ったところをご紹介します。例によって、小見出しも含めて私の独断と偏見に基づいています。
よい子が人を殺す
今、「悪い子」は大きなことはしない。茶髪、高校中退、etc.・・。「悪いこと」でエネルギーを使い果たす。
親の命を奪うのは「よい子」。連続する無差別殺人は、「よい子」が起こしている。
「おりこうで近所の評判がいい」「親の気持ちがわかる」、こういう子は、「本物の自分が」持てていない。
よい子がダメになったら日本の国はつぶれる。いいリーダーをどうつくるか。
出羽庄内国際村、満員でした
虐待社会
個別的な家庭での虐待でなく、「社会的な虐待」が極めて深刻。若者が社会的に排除されている。
労働者の37%が非正規。最低のセーフティーネットが壊された。「何でおれがそいつらの医療費をはらわなきゃいけないんだ」と公言されている。
今、「トヨタが大変(だからリストラ)」と言われるが、「それは本当か?」と見抜くのが学力。
高齢者を厄介者扱いする後期高齢者医療制度。子どものモラルにも影響する。
インターネット
1999年からiモードが始まった。何の情報でも手にはいる。悪の情報も子どもに入る。ネット社会にルールが無いのは日本だけ。
子どもに携帯を持たせても何にも安全でない。ネットワーク、地域づくりの中で安全を守るべき。
使い方では力になる 韓国でが狂牛病問題で120万人のキャンドルパーティー
学力テスト
こんな議論している国は日本だけ。
学力テストに最も一生懸命だったイギリスは13年間やって、廃止。
学力が落ちる。人気校の地価が20%上がった。国語と算数だけの対策学習。
秋田は、県上げて練習問題。新潟県は県教委・校長会と年2回テスト。業者テストも3回一斉に。全国テストは4回目。
沖縄は、週の学習の「振り返りテスト」で、個人名まで張り出し。
「ゼロ時間目」が7時過ぎ、マイナス一時間目は朝6時過ぎ、8時間目まで授業。
教師も生徒も疲れ切って、学力上がらない。
山梨県 2年でやめた。「教師も生徒も疲れてくる」。
国の存亡の危機
日本の競争力は9位
生産、労働、学力みんな方向が逆。このままでは国家が滅亡する。
国家が崩壊している徴(きざし)。夢中になって働いてきたが、何か忘れてきた。
貿易は、アメリカとが16%、中国が17%、アジアが44%、経済の実態が変わっているのに、
外国に学ぶ
オランダは「寛容」と「黙認」の社会。
同一労働同一賃金。「不況だから解雇」は許されない。
自由競争・自己責任=新自由主義では、社会は成り立たない。
米英だけみてもダメ。戦争している国。EU27カ国。他の国も見るべき。
高校で授業料を取るのは、日本・韓国・ポルトガル・オランダだけ。
フィンランドは、給食費も含めて、大学院まで無料。何歳からでも入れる。6年で学力世界トップになった。国際競争力も1,3位。知識基盤社会として、高校程度の学力は不可欠と、「未来への投資」と位置づけられている。教科書も無い、先生が専門職として高く処遇され、教材は自分でつくる。
あなたが好きだ
「命は大切だ」と何万回言ってくれるより、「あなたが好きだ」と言ってもらいたい。注意をする時も、「やったことは間違いだが、君は好きだ。」