セレンディピティ ダイアリー

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奈良町豆腐庵こんどう

2022年05月01日 | +奈良

島根旅行記もまだ途中ですが、4月の金曜日にお休みをいただいて、週末にかけて久しぶりに奈良に行ってまいりました。奈良の旅行記を先に書こうと思います。

新幹線京都駅からJR奈良線のみやこ路快速に乗り換えて。お昼はどこにしようかな~と車中でググり、以前から気になっていたお店を予約しました。

奈良に着いたらホテルに荷物を預け、お土産屋さんの続く春日大社への参道をぶらぶらと。春を迎え、観光客もだいぶもどってきているようでした。

満開を少し過ぎたところでしたが、奈良の桜もきれいでした。

阿修羅像や五重塔で知られる興福寺を背景に猿沢池。春うららかです。

ところどころに古い町家が残る、風情ある奈良町をてくてく歩いて

やがて着いたのは「奈良町豆腐庵こんどう」さんです。以前、奈良町を散策した時に偶然見つけ、いつか訪れたいと思っていたお豆腐料理のお店です。

奈良女子大学記念館と、ならまち散策 (2018-09-28)

奈良町の町家の中でもひときわ歴史を感じる建物は、築180年で登録有形文化財となっています。今回気づいたのですが、隣の少し引っ込んだところに別棟が続く、今でいうところの二世帯住宅のような作りになっていて、別棟は甘味屋さんとなっているようでした。

通されたお部屋は中庭の見える二間続きのダイニングルーム。広さに対して天井がやや低く、当時の人の身長に合わせて昔はこういう作りになっていたのだろうなーと想像しました。

お昼はさまざまなお豆腐料理が楽しめる田楽ランチです。最初に運ばれてきたのは、小さなグラスに入った豆乳です。濃厚な大豆の風味をしみじみと味わいました。

厚揚げをしょうがと青ねぎでいただきます。なめらかで濃厚で、クリーミィな食感です。こんな厚揚げをいただいたのは初めてです。

お豆腐料理が並ぶメインのお膳です。がんもどきの炊き合わせ、卯の花、おぼろ豆腐、お豆腐のおすましとどれも極上のおいしさでした。おいしいお塩でいただくおぼろ豆腐は新鮮なおいしさ。卯の花は優しい味わいでした。

お豆腐の田楽です。お好みで七味と山椒をかけていただきます。特におすすめは山椒とのことでしたが、お味噌のお味によく合いました。

ていねいに作られたお料理はどれもおいしかったです。

食後のデザートは、ゆずと豆乳で作られたゼリー (寒天?葛? ) 豆腐料理の繊細さを損なわない、ぷるんと軽やかなのどごしでした。

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まるかつ 奈良の人気とんかつ

2021年02月23日 | +奈良

長谷寺を訪れた後は、奈良市へともどりました。夜8時までに車を返さなければならなかったので、我が家にしてはちょっと早めですが、6時過ぎに夕食をいただくことにしました。

この日は、奈良市郊外にある大人気のとんかつ屋さん「まるかつ」さんを訪れることに決めていました。

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私がまるかつさんを知ったのは、2年前に Twitter のタイムラインに流れてきた、店長さんがはじめられたという無料食堂のお知らせがきっかけでした。

「まるかつ無料食堂」について

すごい、尊いと思う一方で、こんなことを始めてお店の経営は大丈夫だろうか、と余計な心配をしていました。場所が奈良ということもあり、親しみも感じていました。

店長さんの考えに共鳴して、というだけでなく、材料や作り方をとことん追求した、とんかつをはじめとしたお料理がどれもおいしいということもあり、多くの方々から支持されているようです。

息子ももちろん、まるかつさんのことはよく知っていて、時々食べに行ってもいるようで、今回いっしょに行こうということになりました。

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行列のできる人気店ですが、少し早めの時間ということもあって、ほとんど待たずに席に案内していただきました。

メニューはとんかつや、えびフライなどの定食が中心です。私は期間限定のかきフライ定食をいただきました。大粒の牡蠣が4つ。キャベツはたっぷり。ごはんは白米と十五穀米とで選べます。この他、胡麻豆腐、お漬物、しじみ汁、タルタルソースなど。

夫と息子は、息子一押しのえびフライ&ロースかつ定食にしました。2人に私の牡蠣フライを1つずつあげて、代わりにエビフライを1本いただきましたが、かつもフライも衣サクサク、ジューシィでとってもおいしくいただきました。

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翌日は、ホテルで朝食をゆっくり楽しんだ後、東京で用事があったので、早めの新幹線で帰りました。京都・奈良旅行記はこれでおしまいです。長くおつきあいくださり、ありがとうございました。

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花の御寺 長谷寺

2021年02月22日 | +奈良

さて、長谷路さんでおいしいお蕎麦をいただいてから、参道のゆるやかな坂道を上り、長谷寺へと向かいました。

長谷寺といえば、私には鎌倉の長谷寺がなじみ深いですが、ここ奈良の長谷寺は全国にある長谷寺、真言宗豊山派の総本山で、創建686年と伝えられています。奈良の長谷寺は、春の牡丹をはじめ四季折々の花で知られ「花の御寺(みてら)」とよばれているそうです。

そして、なんといっても、入口の仁王門から本堂まで続く屋根付きの階段、399段の登廊(のぼりろう) が圧巻です。平安時代の1039年、春日大社の社司・中臣信清が子の病気平癒のお礼に造ったもので、下・中廊は明治の1894年に再建され、重要文化財となっています。

大晦日の夜には、万燈会(まんとうえ)といって登廊の両側に灯りがともされるそうで、柔らかなぼんぼりの灯りが本堂まで続く様子は、さぞ幻想的で美しいだろうと想像します。

4~5月にかけては登廊の両側が美しい牡丹に彩られるそうで、いつか見てみたい風景です。

小初瀬山中腹の絶壁に、舞台造りとなっている本堂 (国宝) は、空からでないと全体像が撮れないので、この角度からで失礼します。内部は暗く、しんと静まり返り、厳かで神聖な空気に満たされていました。

本堂の横の階段を、僧侶が連れ立って下りていく様子もまた絵になりました。

昭和29年、戦後初めて建てられたという五重塔。

12月半ばですが、みごとな紅葉を見ることができました。

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お抹茶・お食事 長谷路

2021年02月19日 | +奈良

室生寺を訪れた後、次の目的地である長谷寺に向かう途中、どこかでお昼をいただくことに。例によって 車で走りながら Google Maps で探し、長谷寺の参道にあるお食事処「お抹茶・お食事 長谷路」さんに行ってみようということになりました

なんとも趣のある門構えのこちらの建物は、大正時代の建築で、登録有形文化財に指定されています。お隣の山田酒店さんと敷地がつながっていて、どうやら酒屋さんのご主人がご自宅ではじめられたお店のようです。

庭木が茂り、池に飛び石のある立派なお庭です。お昼の時間がとっくに過ぎているせいか、人の気配がなく「すみませ~ん」と声も掛けるも誰も出てきません。

やがて、呼び鈴代わりの銅鑼?のようなものを見つけてたたくと、ご主人が (おそらく酒屋さんの方にいらしたのでしょう) 出迎えて、離れになっている奥のお座敷に案内してくださいました。

お昼の食事のメニューは、お蕎麦のセット4種類の他、地元の三輪そうめんを使ったにゅうめんセットがありました。セットにはどれも、奈良名物の柿の葉ずし2個がつきます。ご主人自らお蕎麦を用意され、席まで運んできてくださいました。

夫と息子は「鴨なんセット」にしました。鴨肉に湯葉。斜め切りにした青ねぎの緑が目に美しいです。

私は山菜そばセットにしました。素朴でひなびた風情があり、なんとも滋味深くおいしかったです。

柿の葉ずしは、帰りの新幹線で必ず買うほどの大好物。柿の葉で包まれることで、おすしがぎゅっと締まり、なおのことおいしく感じられます。お店によっても多少の違いがありますが、こちらのは小ぶりで私好みでした。

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江戸時代から続く酒屋のご主人からうかがった話では、ここはもともと長谷寺があるから、というより、お伊勢参りに行く途中の街道筋の街として栄えたそうです。街の名前は長谷ではなく初瀬(はせ)、街道の名前は初瀬街道といいます。

もちろん当時はまだこの地に鉄道が通っていませんでしたから、旅人たちは初瀬街道を歩いて三重県松坂市へ、そこから南下して伊勢神宮を目指したのでしょう。

おかげ参りが大流行だった頃、今は静かなこの町も旅人がひっきりなしに歩いていたと想像すると、なんだか愉快な気持ちになってきます。

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長谷寺に参詣する間、快く車を駐車場に置かせてくださった親切なご主人。旅の出会いが、すてきな思い出となりました。

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女人高野 室生寺

2021年02月16日 | +奈良

京都・奈良旅行記の続きです。

今回、奈良では奈良公園から南に車で1時間ほどの辺りにある「奥大和」とよばれるエリアを訪れました。2年前に日本美術ライターの橋本麻里さんの講演を聞いて以来、時間をかけて奥大和を少しずつ旅してみたいと思っていたのです。今回は2つの寺院を訪れました。

2つの寺院を効率よく回るために、この日はレンタカーを借りました。奈良の街の中心部から南東へと向かいましたが、高速道路を降りてからは、深い山道を分け入るように進み、車もほとんど通らないので、ほんとうにこんな山奥にお寺があるの?と心配になるほど。

そうこうするうちに、ようやくこの日の最初の目的地である、室生寺に着きました。

太鼓橋を渡った先が、広大な室生寺の境内です。正面は本坊で、実際の仏事を執り行っている場所のようです。山門の前ではお正月の飾りつけの真っ最中でした。

仁王門。赤鬼、青鬼のような二体の仁王に出迎えられ、その先、鎧坂とよばれる石段を登っていくと、金堂の屋根が見えてきます。

室生寺は奈良時代末、興福寺の高僧が創建したお寺です。江戸時代に、同じ真言宗で女人禁制だった高野山金剛峰寺に対して、室生寺が女性の参詣を許可したことから、女人高野と呼ばれるようになったそうです。

金堂(国宝・平安時代初期)

朽ちた石や柱に、悠久の時の重みを感じます。国宝の釈迦如来立像をはじめ、薬師如来立像、文殊菩薩立像、十二神将立像 (いずれも重要文化財) が安置されています。

弥勒堂(重要文化財・鎌倉時代)

本堂 (灌頂堂)(国宝・鎌倉時代)

真言密教の最も大切な法儀である灌頂 (かんじょう) を行うためのお堂で、1308年に建立。室生寺の本尊、如意輪観音菩薩像 (重要文化財・平安時代) が安置されています。神秘的なポーズにどきっとしました。

五重塔(国宝・平安時代初期)

屋外に建つ五重塔としては国内最小で、法隆寺に次ぐ古い塔です。

五重塔の先に続く長い石段を上り、奥之院まで足を延ばしてみました。

杉木立の中、ちょっとした登山のようです。

やがて舞台造りの位牌堂が見えてきました。

上り切ったところに、弘法大師像を安置する御影堂(重要文化財・鎌倉時代)があります。

ずいぶん山奥に来たと思っていましたが、眼下に集落が見えて驚きました。

もと来た石段を下りてもどりました。思いがけずハイキングまで楽しめて、心に残る古寺となりました。

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JWマリオット奈良の朝食

2021年01月30日 | +奈良

今回の奈良旅行では、2020年7月にオープンしたばかり JWマリオット奈良 に2泊しました。場所は近鉄かJR奈良駅からタクシーで約5分とやや離れていますが、アメリカ系ホテルならではの雰囲気が楽しめました。

ロビーラウンジの様子です。ホテル内にはあちらこちらに鹿のモチーフが使われていました。天井の照明は、日本を意識した風鈴を思わせるデザインです。

朝食は写真の左奥にあるシルクロードダイニングでいただきます。席がゆったりとしていてくつろげました。朝食は和食と洋食(アメリカンブレクファスト)から選べます。

和洋食ともに最初に運ばれてくるセット。ケールなどの緑黄色野菜を使ったサラダ、フルーツ、あまおうのヨーグルト、ジュース。私はグレープフルーツジュースをいただきました。

手前にあるのは前菜的な一品です。自家製こんにゃくの下にサーモンと青菜が隠れています。周りのソースは酢味噌です。

洋朝食は卵料理を中心としたラインナップです。夫はオムレツにベーコンにしました。

息子はJWマリオットの名前を冠したポーチドエッグに、ベーコンとソーセージという組合せ。

私は1泊目は和朝食にしました。松花堂弁当箱には焼き魚、湯豆腐、だし巻き卵、お漬物、お浸し、煮物など。手前左は、奈良名物の大和茶粥。私はこれが食べたかったのです。でも今回は、それ以上の収穫がありました。

右奥に見える「明日香汁」です。大根、にんじん、キャベツ、鶏肉などが入ったミルク入りのお味噌汁ですが、これが優しいお味でほっとするおいしさ。とっても気に入りました。家でもミルクを豆乳に変えて、よく作るようになりました。

洋朝食にはもちろんパンとコーヒーがつきますが、和食にもコーヒーのほか、パンも持ってきてくださったので、私はクランベリーのパンをいただきました。旅先ではついつい食べ過ぎてしまいます。

2泊目の朝は、夫と息子は和朝食。私は、エッグベネディクトとさんざん迷った挙句、めずらしいクロワッサンワッフルをいただきました。クロワッサン生地で作ったワッフルに、ジャムやクリーム、メイプルシロップをかけていただきます。

竹籠を編んだような美しい照明

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酒房 亜耶

2021年01月28日 | +奈良

京都でゆっくりランチを楽しんだ後は、いったんホテルに荷物を取りにもどり、近鉄で奈良へと向かいました。この日宿泊するホテルでくつろいでから、夜7時に息子と合流しました。

待合せは、近鉄奈良駅に近い居酒屋さん「酒房 亜耶」 お魚がおいしい息子お勧めのお店です。家にいたころは肉、肉という感じでしたが、いつのまにかお魚のおいしさがわかるようになったのかしら?

ビールとともに突出し3品。左からだし巻きたまごといくら、鶏肉の燻製、油揚げと青菜の煮びたし。どれもほっとするお味でした。

寒ぶりのお造りと、さわらの塩炙りお造り。お魚のメニューは好きなお魚を好きなように指定してオーダーします。どちらもおいしかった!

こちらのお店には奈良の地酒もいろいろあって、この日は「神韻」というお酒をいただきました。

伝助穴子の天ぷら。一口サイズになっていて食べやすい。

タコの唐揚げ。

ミンククジラの竜田揚げ。なんだか揚げ物が続きます。私はクジラは苦手なのでひとついただいただけですが、息子がこんなのを食べるようになったんだ。。。とそのことにもびっくりしました。

おでんはめいめい好きなタネを選んでシェアしていただきました。大根、じゃこてん、たまご、厚揚げ、ロールキャベツ。おだしがじっくりと染みています。

デザートに、神韻の酒粕のアイスクリームをひとつ頼んでシェアしていただきました。酒粕の風味が意外と強くちょっぴり大人のお味でした。

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奈良町「ゆき亭」さんのオムライス

2019年05月03日 | +奈良

さて、お昼は息子がどうしても連れて行きたいという希望で、奈良町にある洋食とオムライスのお店「ゆき亭」さんを訪れました。

手描きのイラストがかわいい看板です。いわゆる行列のできる人気店で、私たちが訪れた時にはすでに10組以上の列ができていました。ふだんはカレーやステーキといった洋食メニューがありますが、この日は特に混んでいたので、ランチはオムライスのみ、ということでした。

ふだんはめったに行列に並ばない私と夫ですが、たまにはこうして若い人たちに交じって並ぶのも楽しいものです。この日は結構寒かったのですが、温かいコートを着ていて正解でした。私たちの後ろに3組ほど並んだところで、お店の人がやってきて、この日はここで終了ということでした。ぎりぎりセーフで入れてよかったです。

ソースはデミグラスとケチャップがありましたが、私たちは3人ともデミグラスにしました。運ばれてきたオムライスは、ケチャップ味のチキンライスの上に、ぎりぎり形を保っているといった感じの、ふわふわオムレツがのっています。しみひとつ、しわひとつない美しいフォルムにほれぼれしました。

横に一本、そ~っとナイフを入れて開くと、とろとろの卵の海が広がります。ミディアムレアのオムレツと、チキンライスとデミグラスソースが絡み合い、とろけるようなおいしさでした。息子はナイフを入れてから、半分は開いて、もう半分はそのままで食べていましたが、その方が2種類の食感が楽しめるかもしれませんね。大満足のお味でした。

外に出ると、先ほどの賑わいが嘘のような静けさでした。緑のひさしがあって、どことなくロッジ風の外観がすてきです。よく見ると、コンクリートの上に行列用の矢印が書かれています。

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この後、近鉄奈良駅近くでおみやげを買って、最後にどこかでお茶をすることにしました。大混雑の東向商店街の途中、2階に上る穴場的喫茶店?を見つけて入ってみました。

どことなくヨーロピアンテイストで、家庭的な雰囲気もあるティーサロンです。お母さんが趣味で始めたお店?といった感じで、シュガーアートの大作がいくつか飾ってありましたが、あとから、ふだんはシュガーアート教室、週末はティーサロンとしてオープンしていると知り、なるほどと納得しました。

私はチャイをいただきましたが、スパイスの複雑な味わいでほっとするおいしさでした。

京都・奈良旅行記はこれでおしまいです。最後までおつきあいくださり、ありがとうございました。

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興福寺中金堂 ~ 春日大社 ~ 浮見堂

2019年05月02日 | +奈良

さて、お宿をチェックアウトして...

登大路町交差点から見る、東大寺南大門と若草山の風景が好きです。この時の若草山は、1月の山焼きの後、まだ新芽が出る前の冬枯れの丘ですが、今頃は名前のとおりの若草色に染まっているでしょうね。

この日はまず、2018年10月に落慶されたばかりの興福寺中金堂を訪れました。興福寺については昨年9月に訪れて、五重塔や東金堂、阿修羅像や金剛力士像を展示している国宝館など見たばかりなので、今回は中金堂のみ拝観しました。

昨年訪れた時は覆いがかかっていたので、初めて見る荘厳華麗な姿に圧倒されました。710年に興福寺が創建してから中心をなしてきたお堂ですが、7回の焼失・再建を繰り返し、1819年には規模を縮小した仮堂が再建されました。この度、2010年から8年の月日をかけて、創建当時の様式で復元されました。

中には、本尊となる木造釈迦如来坐像、国宝の木造四天王立像などが安置されていますが、仮金堂から300年ぶりに本来の住まいを得て、表情も晴れやかに感じられました。

厳かな入り口。

真新しい、鮮やかな朱が美しい。

奈良の寺院は唐の影響を色濃く感じます。ところで奈良の枕詞になっている「あをによし」。「あを」は連子窓の緑「に(丹)」は柱の赤を指しているそうです。屋根に乗っている金色の一対は「鴟尾(しび)」といい、中国に由来し、しゃちほこの原型になっているとか。バイキングの帽子みたいでかわいいですね。

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この後は春日大社に向かいました。私は昨年、息子と訪れましたが、夫は修学旅行以来と言っていました。^^ 奈良公園には、この日も鹿さんがいっぱい。

鹿せんべいのあげ方にも性格が出て? 私は気前よく1匹に1枚あげるのですぐになくなってしまいますが、夫は少しずつ分け与えるタイプ。バッグをごそごそしていたら、あっという間に鹿たちに取り囲まれました。こんな顔で見つめられたら、あげないわけにはいきませんね。

春日大社もおおぜいの観光客でにぎわっていました。ここでも本殿前のしだれ桜がみごとで、見応えがありました。

絵馬ならぬ絵鹿がかわいい。表情がひとつひとつ違って個性的です。昨今は外国語のメッセージも増えてきました。

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この後は、鹿たちが遊ぶ楽園 飛火野(とびひの)を通って鷺池に向かいます。

桜にはやや早かったですが、池を取り囲むように咲くモクレンがきれいでした。

鷺池に浮かぶ、美しい六角堂の浮見堂(うきみどう)。絵になる風景とあって、この日はなんと3組もの花嫁・花婿さんが婚礼の撮影をしていました。写真に婚礼衣装を纏った花嫁さんがいらっしゃるのが見えるでしょうか...。

息子がiPhoneで撮った写真。私よりセンスがいいです。^^

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大和懐石料理を楽しむ

2019年05月01日 | +奈良

2日目は東大寺の近くの日本旅館、和鹿彩(わかさ) 別邸さんでお世話になりました。まだできて新しい、町家の雰囲気を生かしたこじんまりとしたお宿ですが、細やかな、それでいて出過ぎないおもてなしが心地よかったです。

いたるところに鹿をモチーフにした装飾品や小物があるのが楽しい。宿泊したのが3月だったので、お部屋に鹿のお雛様が飾ってありました。女性には浴衣が10種類以上用意されていて、選ぶのもわくわくしました。

夕食は、奈良の食材を生かした大和懐石料理で、この日は弥生のお献立でした。お料理を記録しておきます。

八寸です。鰻八幡巻き・桜花長芋・飯蛸旨煮・三食玉子・大羽鰯味噌煮

 

奈良の名産あれこれです。蘇(古代チーズ)は奈良時代の人々が食べていたという乳製品。鯖の柿の葉寿司。柚子に干柿を巻いた柚子柿。

お料理といっしょに、奈良の ”白滴” (はくてき) という純米吟醸酒をいただきました。酔いが回って顔が赤くならないうちに? お宿の方が、奈良のアイドル ”せんとくん”と”しかまろくん”のぬいぐるみといっしょに写真を撮ってくださいました。

手前の椀は、桜鯛潮仕立て。奥はお造りの盛り合わせです。

蒸して火が通ったあとですが... 和牛と大和ポークのせいろ蒸しです。

お食事の途中で、マジックの方が席に見えて、目の前でカードマジックを見せてくださいました。好きなカードを選んでカードの束にもどし、どのカードか当てるというもので、ひとりずつ選ばせてくれたのですが、3回ともタネと仕掛けがまるで違ってどれもまったくわからず、狐につままれました。あっという間の鮮やかな手さばきと話術にお手上げでした。

伊勢海老と若筍 木の芽田楽焼きです。この辺りから、おなかがいっぱいで苦しくなってきました...。

油目の生雲丹包み天ぷら。桜鯛の松前しゃぶしゃぶ。焼きたばらがにとあん肝巻き寿司。ふかひれ羽二重蒸し。

奈良のお米を使った筍釜飯に香のもの。

デザートは、羊羹とメロン、いちご。おいしいお料理、楽しい趣向もあって、いい気分でお部屋にもどりました。

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朝ごはんもおいしかったです。白いごはんもありましたが、私は奈良の名物、大和茶粥(左手前)をいただきました。

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