この日は朝から、法隆寺を訪れました。法隆寺は、奈良から少し離れた斑鳩(いかるが)という場所にあります。JR奈良駅から法隆寺駅まで電車で11分。駅のまわりに古都の趣はなく、ほんとうにここに法隆寺があるのかしら?と不安になるほど。幹線道路をてくてく20分ほど歩くとようやく参道が見えてきました。
法隆寺は飛鳥時代の姿を今に伝える世界最古の木造建築で、推古15年(607年)、聖徳太子と推古天皇によって創建されたと伝えられています。広大な境内は、金堂・五重塔を中心とする西院伽藍と、夢殿を中心とする東院伽藍、大きく2つから構成されます。
まずは西院伽藍から入りました。写真は、法隆寺のご本尊が安置されている金堂です。釈迦如来像、薬師如来像、阿弥陀如来像が安置されています。その後ろの修理中の建物は中門。中には金剛力士像が安置されているそうです。
金堂の隣りにそびえる五重塔。世界最古のものです。
金堂と五重塔の奥に大講堂。屋根の先がきゅっと上がっているところが中国っぽい。
西院伽藍の東西にそれぞれ奥に細長い建物があります。これらは僧侶たちの住居だったところで、僧房とよばれています。写真は東の聖霊院。中には聖徳太子の尊像が安置されているそうです。
西院伽藍を見学したあとは、宝物が保存されている大宝蔵院を見学しました。歴史の教科書でもおなじみの、百済観音像や玉虫厨子を見て感激しました。
西院伽藍と東院伽藍をつなぐ参道に、趣のある風景を見つけてパチリ。参道に沿って桜の木が植えられていました。
法隆寺といえば、正岡子規の「柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺」が知られていますね。境内の鏡池の傍らにこの句の句碑があるとあとから知り、見逃してしまって残念でした。ところでWikipediaによると、子規が柿を食べながら聞いたのは実際には東大寺の鐘だったとか。翌日に訪れた法隆寺とあわせて作ったフィクションの句と考えられているそうです。
東院伽藍の中央にある夢殿。係の人がここから撮るといいよと場所を教えてくれました。八角円堂の美しい建物で、中央に聖徳太子等身の救世観音像が安置されています。
最後に、拝観コースからはずれたところにある西円堂を訪れました。小高い丘にあってこじんまりと趣がありました。