1990年代後半は、慣れない子育てと慣れない海外生活、当時大学にも通っていたので、なかなか映画を見る時間がありませんでした。(フォレスト・ガンプやタイタニック等の大作は一応見ているし、子ども向け映画はたくさん見ましたが)
最近NETFLIXで、偶然この時代の映画を見ることが続いたのですが、これが実におもしろい。CG、VFXなどの映像技術に頼りすぎず、今でいうLBGTやSDGsへの過度の配慮もない。娯楽性にもすぐれ、私的映画黄金時代とよびたくなりました。
前置きが長くなりましたが、ここ数か月NETFLIXで見た1990年代映画をまとめて7作品、感想を書き残しておきます。(各映画にWIkiページをリンクしています)
セント・オブ・ウーマン 夢の香り (Scent of a woman) 1992
ボストンの名門高校に籍を置く苦学生のチャーリーは、サンクスギビングの休暇に、気難しい盲目の退役軍人フランク(アル・パチーノ)の世話をするアルバイトを引受けます。フランクのニューヨーク旅行につきあわされることになったチャーリーですが
フランクのわがままにふりまわされつつ、彼の孤独な魂にふれ、彼を通じて人生の何たるかを学んでいきます。そして厭世的になっていたフランクもまた、チャーリーとのかかわりの中で、生きる希望を見出していきます。
盲目役のパチーノが、レストランで出会った若く美しい女性を伴い踊るタンゴのシーンがすばらしい。自分の将来に関わる大きな決断を迫られていたチャーリーの勇気ある行動。チャーリーの危機を愛ある言葉で救ったフランク。見た後に温かい余韻の残る作品でした。
スリーパーズ (Sleepers) 1996
ちょっとしたいたずらが大ごとになり、少年院に入れられた4人の少年たち。そこは看守たちによる暴力と性的虐待が横行していて、少年たちは心と体に深い傷を負います。出所し、成長した4人はある殺人事件をきっかけに、4人の看守たちへの復讐を決意します。
全体として陰惨で重苦しい作品ではありますが、それを上回る深い人間ドラマがあって、心に残る作品でした。後半の法廷ドラマは緊張感があって引き込まれました。神父役のロバート・デ・ニーロをはじめ、俳優陣の演技がすばらしく、見応えがありました。
ヒッチコックの 「ダイヤルMを廻せ!」 (Dial M for Murder) のリメイクです。妻エミリー(グウィネス・パルトロウ)が、駆出しの芸術家デイヴィッド(ヴィゴ・モーテンセン)と不倫していることを知った資産家スティーヴン(マイケル・ダグラス)が
こともあろうにデイヴィッドに、妻の殺人を依頼したことから、事件が思わぬ方向に発展していきます。ヴィゴ演じる芸術家がなかなかの曲者で、ダグラスやパルトロウとの駆引きが見応えありました。事件に巻き込まれたエミリーですが、最後は女は強しを実感しました。^^
ダブル・ジョパディー (Double Jeopardy) 1999
実業家の夫を殺した罪で刑務所に収監されたリビー(アシュレイ・ジャッド)は、実は夫は生きていて、保険金のためにだまされたことを知り、仮出所中に夫への復讐を決意する、というサスペンス映画です。
仮出所中のリビーを監視する保護観察官のレーマン(トミー・リー・ジョーンズ)は、リビーを追ううちに彼女の無実を確信し、最後は2人で反撃します。つっこみどころは満載ですが^^ スリリングで飽きさせず、最後にすっきりする作品でした。
フランシス・コッポラ監督の法廷ドラマで、若きマット・デイモンが新人弁護士を好演しています。大学を卒業したもののコネがなくやっと弱小事務所に就職したルディ(マット・デイモン)が、経験豊富ながら司法試験に落ち続けているデックと組み
大手保険会社の不正を暴くために戦います。メインストーリーとしては社会派作品ですが、脇を支えるストーリーも丹念に描かれ、見応えがありました。新人弁護士の奮闘がさわやかで、コミカルな要素もあってよかったです。
ゲーム (The Game) 1997
デヴィッド・フィンチャー監督のサスペンス映画。投資銀行を経営するニコラス(マイケル・ダグラス)は、弟コンラッド(ショーン・ペン)から誕生日プレゼントにゲームの招待状をもらって以降、現実と嘘が入り混じったわけのわからない騒動に巻き込まれていきます。
トゥルーマンショウみたいに仕組まれているんだろうなと思いながらも、あまりに真に迫っているのでどこからが現実でどこからが嘘なのかわからなくなります。個人的にはこんなサプライズも、バースディプレゼントも欲しくありません。><
犯罪心理学の博士である警官クロス(モーガン・フリーマン)が、姪のナオミが行方不明となり、連続誘拐殺人事件に巻き込まれたのではないかとの疑いから、事件を追うサスペンス映画です。
プロットが「羊たちの沈黙」に似ていて、ストーリーとしてはそれほど新鮮ではありませんが、意外な犯人が明らかになる終盤は手に汗握りました。