この度の大地震で被災された方々にお見舞い申し上げます。
今の私たちにできることは限られていますが、SNSを見ながら、祈ることで、そして被災地の方々が少し元気になられたら、現地を旅行することで復興のお手伝いができるかもしれない、と思い立ちました。
2016年7月、能登を旅行した時の記事の一部を再掲することで、お見舞いのことばに代えたいと思います。拙い記事ですが、能登の魅力が少しでもお伝えできれば幸いです。
金沢能登(3) 見附島 ~ 禄剛埼 ~ 白米千枚田 ~ 輪島
金沢能登(4) 輪島の朝市 ~ ヤセの断崖 ~ 8番らーめん
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和倉温泉から橋を渡り、能登島を経由して、能登半島の先へと進みました。海岸沿いの道路を走っていると、入り江の美しい集落に心を奪われました。

能登に点在する集落は、どの家も黒い屋根瓦と木の板壁に統一されていて、とても美しいのです。観光地でもなんでもない風景に感動して、外人さんみたいにあちこちで写真を撮ってしまいました。^^ あとから能登瓦、アテ(能登ひば)を使った、この地方の伝統的な家の造りだということを知りました。

能登半島を東へ東へ... 1時間ほど走って、珠洲(すず)市にある見附島(みつけじま)を訪れました。空海(弘法大師)が布教のために佐渡から能登に渡ってきた時に、最初に”目に附いた”のが名まえの由来だそうで、その形から ”軍艦島” ともよばれています。
写真ではうまく伝えられませんが、駐車場から木立の中を歩いて突然視界が開け、この島が目の前に現れた時のインパクトは強烈でした。白い岩肌の美しさが印象的ですが、ここ珠洲の特産品、七輪の材料である珪藻土(けいそうど)でできているそうです。

さらに走って... ようやく能登半島の最先端、禄剛埼(ろっこうさき)にたどり着きました。

目の前に広がる青い海。禄剛埼はちょうど内浦と外浦の接点にあたり、海からのぼる朝日と、海に沈む夕日をどちらも見ることができるそうです。

輪島に泊まった翌日、ホテルをチェックアウトしてから名物の朝市を訪れました。

日本三大朝市のひとつに数えられ、一千年以上の歴史があるそうです。会場となる商店街には露店がずらりと並び、大にぎわい。あちらこちらで売り子さんたちの元気のいい声が飛び交っています。

やはり海産物のお店が多く、宅配便で送ることもできますが、私は輪島塗のお箸と、布を編んで作ったかわいい草履を室内履き用に買いました。

朝市をひと通り見てまわったら、車に乗って能登半島を西に向かいました。能登の北西部の海岸は能登金剛とよばれ、複雑に入り組んだ海岸線と断崖絶壁、奇岩の風景で知られています。まずは松本清張さんの「ゼロの焦点」の舞台となった”ヤセの断崖”を訪れました。

駐車場から気持ちのよい遊歩道を歩き進むとと、目の前に広大な青い海とゴツゴツとした岸壁の絶景が現れます。「ゼロの焦点」といえば荒々しい波がざっぱ~んと断崖絶壁に打ちつける風景が脳裏に刷り込まれていたので、穏やかな海の風景に拍子抜けしながらも、その美しさに息をのみました。

ヤセの断崖からさらに遊歩道を歩き進むと、”義経の舟隠し”という場所があります。源頼朝の追手から逃れて奥州へと向かう義経と弁慶が、ここに48隻の舟を隠したといわれています。間口5m、奥行き100mの細長い断崖絶壁は迫力満点。足がすくみました。
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個人的には紺碧の日本海、黒い屋根瓦の美しい集落が特に心に残っています。この風景が変わらぬまま、一日も早くもどってくることを祈っています。