Netflixで見た、サスペンスの旧作3作品です。
ザ・バンク 堕ちた巨像 (The International) 2009
ルクセンブルクに本部を置く国際メガバンクIBBCの違法行為を暴くため、インターポールの捜査官ルイ(クライヴ・オーウェン)とニューヨークの検事補エレノア(ナオミ・ワッツ)が奮闘します。
巨悪に立ち向かう社会派作品が好き、そしてナオミ・ワッツが好きなので、大いに楽しめました。かつて実在した銀行BCCIがモデルとあって、リアリティたっぷりで引き込まれました。ナオミ・ワッツも変わらず美しかった。
真相を探るために近づいた鍵を握る人物が、次々と不審な死を遂げる前半は、映画を見た後も、しばらく思い出すたびに心臓がバクバクするほどの恐怖を味わいました。
本作のクライマックスとなるのは、ニューヨークのグッゲンハイム美術館での銃撃戦。いったいどうやって撮影したの? 美術品はすべて差替えたのかしら? と余計な心配をしながら見ていましたが、後から、映画のために美術館ごとレプリカを作ったと知って驚きました。
巨悪に立ち向かうことの限界を感じ、やりきれない気持ちを覚える結末ではあるのですが、それもまた現実。ただ、モデルとなったBCCIは1991年に経営破綻したと知って、ちょっぴり溜飲を下げました。
コラテラル (Collateral) 2004
トム・クルーズが冷酷な殺人鬼を演じる異色サスペンスです。
ヴィンセント(トム・クルーズ)は、ロサンゼルス空港から偶然乗ったタクシーの運転手マックス(ジェイミー・フォックス)の運転技術と時間の読みの正確さを買い、一晩雇うことを申し出ます。
報酬(それにしても600ドルは安すぎる!)につられてつい引き受けたマックスでしたが、それは一晩で5人の標的の元を訪れるというものでした。マックスは不本意にも、ヴィンセントの犯罪の片棒をかつぐことになってしまいます。
トム・クルーズが登場したとたん、ヴィンセントはきっと悪の組織に立ち向かうヒーローなんだ、と勝手に思ってしまった私。しかし、いつまでたっても身勝手で横柄な殺人鬼のままで、私の中で謎が深まるばかりでした。
終盤、ロサンゼルスの地下鉄で繰り広げられる逃亡劇は、最高にスリリングでおもしろかった! でもやっぱりトムにはヒーローの方が似合いますね。
セルラー (Cellular) 2004
キム・ベイシンガー主演のクライム・アクション。ジェイソン・ステイサムが悪役のリーダーを演じています。
ある朝突然、自宅から誘拐された科学教師のジェシカ(キム・ベイシンガー)。監禁場所で、壊れた電話の回線をつないで通信を試みると、ある青年ライアン(クリス・エヴァンス)の携帯電話につながります。
ふだんは軽薄で浮ついているライアンですが、電話で話しているうちにジェシカの緊急事態がほんとうであることを確信し、彼女とその家族を助けるために奮闘します。
2004年といえば、まだスマートフォンが世に出る前で、携帯電話全盛期。どこにでも持ち運びができて、写真や動画も撮影できて、呼び出し音で相手の注意を引いて...。
携帯電話の利便性や多機能がさまざまな場面でさりげなくアピールされているのが、今となっては微笑ましい。^^ 映画はその時代のテクノロジーを記録するメディアでもあると実感しました。
これまで大きな事件に関わったことがなかったであろうベテランのムーニー巡査が、最後に大活躍したのにもほっこりしました。