終戦直後のデンマークを舞台に、地雷撤去に駆り出されたドイツ軍少年兵たちの苦難を描いた史実に基づくドラマ、「ヒトラーの忘れもの」(Under Sandet / Land of Mine)を見ました。
第2次世界大戦中、デンマーク西海岸につらなる美しい砂浜に、米英軍からの侵攻に備え、ナチス・ドイツによって200万個もの地雷が埋められました。そして戦争が終わり、残された地雷を除去するために駆り出されたのは、終戦時にデンマークに捕虜として囚われたドイツ軍の少年兵たちでした。
彼らは終戦間際に徴兵された少年たちで、爆弾処理の訓練を受けていない、まったくの素人でしたが、デンマーク兵から即席にレクチャーを受け、即戦力として地雷原に送られたのです。
彼らを危険な任務につかせることは、本来ジュネーヴ条約違反のはずですが、戦時中、デンマークがドイツの軍事保護下にあったことから、このようなことがまかり通ったのです。その後冷戦時代に入り、この不幸な事実は、歴史の闇の中に封じ込められることとなりました...。
映画で描かれるのは14名の少年兵と、彼らを指揮するデンマークのラスムスン軍曹。デンマーク人にとって、ドイツ兵は子どもといえども昨日までの憎き敵であり、軍曹は情け容赦なく、少年たちをこき使います。戦争を起こしたのは大人たちなのに、どうして一番弱い彼らが後始末を強いられて、最も危険な任務に就かなければならないのか、その理不尽さに胸がふるえました。
まだ10代半ばのあどけない顔をした少年たちが、空腹と孤独と不衛生の中に閉じ込められ、探知棒を手にそろりそろりと広い砂浜をはいつくばって地雷を探し続ける姿に打ちのめされました。美しい砂浜は、死の地雷原。いつ爆発してもおかしくない状況の中で、見ている方も、極度の緊張感に何度も押しつぶされそうになりました。
あたりまえのことですが、戦争は勝っても負けても不幸なこと...と改めて思いました。戦争に勝った側は、このような負の遺産に何十年も苦しめられることになり、負けた側は、早く帰って祖国の再建のために働きたいと語る、少年たちの未来が失われることになるのです。
終わりのない苦しみの中で、どうなることかと思いましたが、少年たちと接していく中で、軍曹が少しずつ人間らしい気持ちを取り戻し、最後にせめてもの救いがあってほっとしました。
この映画も昨年ベストに入れているかた、何人か見かけましたよ。
私も気になっていた作品です~~
犠牲になるのはいつも弱いものですよね。
地雷撤去の緊張感で、奥歯が痛くなりそうな映画ですね…
この作品、アカデミー外国語映画賞にノミネートされたんですね。
記事を読ませていただくと、地雷撤去の話だけでも緊張感が凄いのに、それが子供がやらされていたなんて、本当に衝撃です。
私は、ちょっときつくて見られないかも・・。
それにしてもこんな事実が封印されていて、それが映画によって多くの人に知られ、戦争の悲劇を思い起こさせる機会になるのは、とても大事な事だと思います。
そう、この映画は昨年末に公開されたのですよね。
強烈な作品ですが、見てよかったと思いました。
爆弾処理...ということで「ハートロッカー」を思い出しましたが
(あれも緊張感が半端ない作品でした)
こちらはまだあどけない少年たちとあって、なおのこと
祈るような気持ちで見ていました。
このようなことがあったなんて、まったく知らなかったので
大きな衝撃を受けました。
長らく歴史の中に封印されていて、最近明らかになった事実だそうです。
主人公の軍曹の息子さんが書いた手記がもとになっているようですが
自国の汚点をこのようなすばらしい作品に仕上げた
監督の勇気に感銘を受けました。
強烈な作品ですが、見てよかったです。
本作は見ていて実にキツい映画でした。
世界大戦が終わって70年以上たち、知られていなかった史実がまた一つ語られたと言うことですね。
ドラマなんだけど、とてもリアルに映って、時折あどけない表情を見せる少年たちを見ているのが辛かったです。
衝撃的な作品でしたね。
未来ある少年たちが、ただただ悲しく、痛ましかったです。
あの美しい砂浜に、こんな恐ろしい歴史が封印されていたとは...
戦争は決して繰り返してはいけない悲劇だと改めて思いました。
お引越しされたのですね!また素敵なブログを更新されること、心より願っております。
作品の方ですが、本当に力作でした。
おっしゃる通り、観ているこちら側が、極度の緊張感に何度も押しつぶされそうになりました。
そして、戦争の恐ろしさは、後処理にも容赦なく訪れるのですね…勝った負けたで終わるのではないのだな、と。
温かいメッセージ、ありがとうございます。
これからもどうぞよろしくお願いします☆
さて本作品、美しい砂浜に封印された恐ろしい事実に
衝撃を受けました。
爆弾処理の場面は心がひりひりとして
祈るような気持ちで見入っていました。
すべての地雷を取り除くのにどれほどの犠牲を払い、どれほどの時間がかかったのか
戦争はたとえ勝ったとしても、得るもの以上に失うものが大きいですね。