招待券をいただいて、ベトナムの新進気鋭のピアニスト、グエン・ヴィエット・チュン (Nguyen Viet Trung) さんのリサイタルに行ってまいりました。
日本ベトナム外交関係樹立50周年を記念してのこの音楽会。秋にオーケストラとの来日公演が予定されているグエンさんの顔見世的なコンサートだったようです。日本各地をまわり、2日後に千秋楽のサントリーホールでのコンサートが予定されていましたが
この日は招待客だけの内輪のリサイタル。場所は紀尾井町サロンホールです。永田町に近いこの界隈は、静かで端正で洗練された佇まい。会場のサロンのエレガントな雰囲気に心が華やぎました。
自由席なので仕事を終えた後に早めに会場を訪れたら、開場前にもかかわらず中に案内していただいて、ピアノの鍵盤の見える一番前の席に着くことができました。演奏者の指の動きが間近に見え、緊張までもが伝わってくるようなよいお席でした。
グエンさんは、ベトナムを代表する若手ピアニスト。東洋人で初めてショパンコンクールで優勝したダイ・タイ・ソン以来、ベトナム人として40年ぶりに昨年のショパンコンクールにエントリーされた期待の星です。
この日のプログラムは以下の通り。
ショパン ノクターン 作品27-2
モーツァルト ピアノ・ソナタ第10番 ハ長調 K.330
シューベルト 即興曲作品 90-1番、3番
ショパン ピアノ・ソナタ第2番「葬送」作品35 変ロ短調
私自身、昔弾いたことのある曲で、懐かしさもあってとても楽しかった。葬送以外は軽やかで親しみやすく、かわいらしい曲。当初予定されていたプログラムでは、私の好きなショパンのバラードが入っていましたが、本番ではノクターンに変わっていました。
おそらく葬送が重苦しい曲なので、同じくドラマティックで重いバラードから、ロマンティックで軽やかなノクターンに変更したのだと思います。このノクターンは、昔エールフランスのタヒチ便のCMに使われていたことを思い出しますが、私も大好きな曲です。
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グエンさんの演奏は誠実でまっすぐなところが好ましかったです。コンサートの後の挨拶には、謙虚なお人柄とともに、礼儀正しさと芯の強さが伝わってきました。これからのご活躍を応援します。
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