@「権力」を持った人間は、ほとんど誰からも何も言われない立場にあり、その人間を裁くものはいない。それは如何に悪事でも開示し、罰することはほぼ不可能である。これは江戸時代でも現代でも共通する「名誉と権力」者の特権だ。 現代の名誉職と権力者は、特にそれが悪事だと悟ることもできず、最後は「役職を全うすることでその責任を果たします」などと自責を反省するどころか返って開き直り、その悪事を暴くことではなく周りを責めることに徹する気がする。今の「加計学園」等政治討論でも最後は「記憶にない」(言った、言わない論)でだれも責任を負って辞任することは稀になってきた。昔と違って悪事に対する認識が大きく変わりつつ状況は、社会全体の腐敗を招く。海外からの評価が高い日本人の「正直」「真面目」モラルはどこにいったのか。
『老中斬り 北町裏同心』楠木誠一郎
- 老中水野出羽守忠成らの陰謀の証拠を抑える事を知らされた北町奉行所隠密廻りにして闇稼業の同心我孫子蔵之介は、何者かに娘をさらわれ、自らもつ狙われ襲われる。仲間の鼠小僧次郎吉までもが奉行所に捕らえられ蔵之介たちに最大の危機が訪れる。実行犯が同じ隠密廻りの片岡主税と知り、ついに老中一派との直接対決となる。果たして蔵之介は父と兄の仇討ちを討てるのか。
- 父の残した日記と水野からの賄賂品々を持った蔵之介(鼠小僧の頭首)たちは、片岡に仲間、猪三郎を切られ、捕らわれるが逃げきる。が蔵之介の妹が人質に捕らわれていた。その後別途にお屋敷に盗みをしたところを捕らえられた次郎吉が奉行所に捕らえられ拷問に合う。何も白状することはなかったが鼠小僧次郎吉として獄門、磔となるが、搬送の途中、蔵之介は変わり身を用意して入れ替え助ける。
- 妹を取り返すため忍び込んだのは片岡の屋敷、そこで蔵にいた妹を救い出す。その時片岡が逃さぬように立ち防ぐ。蔵之介と一騎討ちとなるが蔵之介は片岡の匕首を抜き、片岡の腹を刺し、仇を果たした。
- 奉行所は片岡が自害だと判断して全てを消し去ろうとしたが、蔵之介はそれを仕掛けた上士である土方縫殿助けを待ち伏せで斬り伏せた。