@この小説は、室町時代のある「女の怨念」から2百年以上も経った江戸時代にその直系が戦うという時代を超えてまでも「怨念を晴らす」と言うストーリーだ。男と女の記憶・心理はどのように違うのか。よく言われるのは、女性は直感的に感情を理解し特に辛い、悲しいなどの感情を記憶、一方男性は事を理解し、楽しい、嬉しいことを記憶すると言う。 だから女性の会話には、嫌いな事、嫌な事、ダメなことなどを語ることが多いらしい、一方男はいい事、楽しい事、得意な事などを話すのが多いという。いわゆる女性は「減点法」で男性は「加点法」らしい。よく思われがたい為に男が苦労すのも頷ける(女性に喜んでもらえるためにプレゼントしたり、会食に誘い、楽しい話で盛り上げる等)が、女性は悪い事・嫌いな事はいつもまでも記憶に残すらしい・・・男性は忘れやすい、というよりも記憶に多くを残さない。男女の記憶・心理はどの時代でも変わらないのか。
『半斬の蝶』(上・下)門田泰明
- 面妖な大名風集団との遭遇、それが浮世絵師宗次を襲う凶事の幕開けだった。白金の森に伝わる無念の館跡に関係が。暗黒の森で宗次を待つ黒衣の剣客闇之介。揚真流奥義をも戦慄させる幽鬼の業。やがて勇猛の将と一族の噴墓、7対の骸が発見された。一方、江戸の名門道場と国学者邸で地の惨劇が相次ぐ。
- 江戸高松藩下屋敷の「無念の館跡」から屋根裏部屋で7つの遺骨を発見、「亡霊」ではなく「念霊」を見る。それは足利時代の温霊が時代を超え現れる術であった。亡霊ではなく実在する人間を思いのままにここぞという場所へ瞬時に移す業を心得た集団がいたという話を聞く。
- 「明神館」で師範が何者かによって今まで見たことのない凶器で殺される刃傷事件、その後大月定案先生という歴史を知る学者も家の者皆殺しにされるという事件が勃発。
- トチの木落葉高木(抗菌作用)=消毒液として利用
- 墨色=焦・濃・重・淡・清の5彩色
- 乾杯の風習は平安時代より古くからあったとされている
- 戦いの源は足利一門である足利義政の妻日野富子系と今参局系が直径吉良上野介の妻富子と今参お局様系闇ノ助等の恨みの戦に続いた。止めるには唯一宗次が闇ノ助(大舘三之介)を説得か刺殺するしかないことを悟り、戦いを挑む。料亭「夢座敷」の女主人幸も富子の系で突然いなくなり戦いに備えて店を畳む。幸は富子の妹と思案する。
- 昔、東軍反日野富子派・今参局の細川勝元は畠山政長、斯波義敏、赤松政則らを差配し24カ国16万の兵をあげ、西軍である日野富子派は山名持豊、畠山義就、斯波義廉らを指揮して20カ国11万と激突「戦国時代」の火蓋をとなる。
- 恨みの権限の真光寺に宗次は馬を進め、戦いがあることご住職から聞くが、実は住職の息子がその闇ノ助であることを知る。
- 戦いを避けるべく1対1で戦うことを悟り、遂に宗次は闇ノ助を倒すが幸は帰ることなく「夢座敷」も転売される。