@武士の忠義とは、藩主の命に命を捧げることだが、無能な藩主を守り、騙し討ちを掛けられ果てる虚しさは捨身の「鳥刺し」技で恨みを晴らしたことになる。 現代、コロナ感染対策で無知無能なトップが政権を持ち続けるのは一部の依怙贔屓者を除き諸外国からの非難含め国民に不幸をもたらすことは間違いない。国民自らが立ち上がり、行動しない限り変わらないのか。それには「世論」と「検察庁」だが、Twitterなどの動きは現代の「世論」に十分役に立つ。
『必死剣 鳥刺し』藤沢周平 2010年作
公の場で側室を刺し殺した武士物頭兼見三左衛門。妻を病気で亡くし子もない武士としての切腹、家取り潰し覚悟の刺殺だった。だが、御沙汰は減石、1年の閉門、役職取り下げ、切腹厳禁となる。要は側室の横柄な振る舞いが政に対しても意見を藩主に代わり命令を出すようになり、財政難のおり大金を盛って寺の建て直しから側室の親族贔屓まで、農民の斬首は疎か家臣が腹を切る沙汰までに及んだことだった。ところが藩主は別家の家臣に対しても聞き耳もたず、側室に対して何も言わず見て見ぬふりをするだけだった。「武士の死場所」を見つけるべくした行動だった。武士として二言は無しと生き抜いてきたが、3年後、藩主の側頭、護衛の命を受けた。それは別家の達人が藩主を狙っているとの噂から命がおりた。やがて藩主と家老は兼見と別家を排除する為、罠をかけ実行する。最後は兼見の「鳥刺し」技(捨身の技)でその家老を殺戮するが、兼見が狼藉を計り別家が討ち取ったと話をすり替えることだった。