@次世代の日本はどうなるのか、特に地方行政、産業はこのままでは衰退、破産が見えてくる。そんな中で奮闘した田舎町の動き、新たな高齢者施設と運営「プラチナタウン」に続き地場産業の「和僑」的発想で一次産業の生産物を加工し輸出し、海外の市場拡大と町おこしをする起業家小説だ。
これからの日本は一次産業の活性化が必須である。にも関わらず政府は田畠の減反を未だ推進、田舎では空家と耕作放棄地も増え続け、若者は町を離れ続けている。田舎での復興、復活には新たな世代の活気と政策が必須であり、政府は今までの枠組みを取り払い現場と一次産業の起業を支援すべきだと思う。
『和僑』楡周平
「概要」宮城県緑原町に老人定住型施設「プラチナタウン」が開設され四年。町は活気を取り戻し居住者は増えた。だが、町長の山崎は不安を覚えていた。いずれ高齢者人口も減り、町は廃れてしまう――。山崎は、役場の工藤とともに緑原の食材を海外に広め、農畜産業の活性化を図ろうとする。だが、日本の味を浸透させる案が浮かばず……。新たな視点で日本の未来を考える注目作!
ープラチナタウン:田舎に建てた老人ホーム・介護職は絶えず交代式で報酬も決して高くはないがやりがいのある、イベント、趣味、娯楽の世話をし、仕事がローテーションする。8千人の施設
ー街の経営はこのプラチナタウンの施設で潤い始め、多くの入園者と共に企業参画がで始める。他の地方でも同じようなケースでの展開が出始め飽和状態になるのは目に見えていた。拡張するか他の事業を起こしていくかが街としての舵取りを迫られていた。人口は増えたが、過疎高齢化で老齢者が多く田畠での老齢化も問題視され始めた。如何に次世代の人々が建てるか。
ー田舎の特徴は水も、土も良い、良い作物が出来上がるが、農作物、畜産も老齢化で若者が減っている為、減反、減量し生活の収支が崩れ始めていた。更に空き家が増え、耕作放棄地も増え荒れ果てた。独居老人は2千人ほど60歳以上が街の半分を占め、未婚男性が増える現象となった。
ー同郷していた家族が米国から一時帰国で日本の素晴らしい味とサービスを体験。是非米国に展開するレストランでその味とサービスを展開したいと町長を説得する。そこで閃いたのは日本で野菜等を加工し、冷凍物を輸出できるメンチ、コロッケ、牛肉を草案し、さらに地元の日本酒等を含めて地元農産物を米国に輸出する起業を話し合う。
ー町長自身がこの起業に打ち込むことを決心し、「和僑」へと前進していく。 町長職を辞して若い有能な女性を時期町長に推薦、次世代の街作りを後押しする約束する。その父が言った言葉「やってみれ。その事業ば成功させて、緑原が昔のように、子供の声で溢れ返すような町さしてみれ。安心して農業がやれる町さしてみれ」と息子を後押しする。
ー次世代を呼び込むため、如何に地元で安定した収入源を確保することができるか、試行錯誤が始まった。
「会社は一生安定を保証する物ではない。かといって、起業もできない。たとえ慎ましくとも、人がいる限り絶対に廃れることのない仕事。つまり農業、漁業、畜産業といった一次産業に目をむける若者が増えるはず」
「人はさ、悲しいもんで、五年先、十年先のことは考えているようで考えていない。明日の飯より今日の飯だ。それが顕著に現れるのが政治だ。我慢を強いる人間よりも、甘言を弄する人間を選ぶ。だけど、それじゃ駄目なんだ。問題を次の世代に先送りするだけだ」
「必要なのは組織な頼らず自分の力で生き抜く力。人間力です。それを如何にして身につける環境を整えてやるかが、親の勤めだと思う」
「これからの時代を生きる世代は、従来の価値観を捨てることを余儀なくされます。高い教育を身につけ、大企業に就職することが安定した人生を送ることにつながるなんて、すでに過去の話す」「だからこそ、地方には永続性ある雇用基盤の整備、新しい産業の創出が必要なんです」「日本の行末を心底心配して、国政には期待できない。そんな焦りを思ているからです」
ーA5の牛脂を使うだけで上品な牛肉の味が出る