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日本のジリ貧は更に不安を煽る『誰も言わない日本の実力』

2024-11-18 07:44:24 |  社会の歪みと偏見
エコノミストが新聞に投稿した特に政治経済・国際関係などについて意見、提言、批評したコラム集だ。中でも気になったのが、「日本の固く古い頭の『官僚制度』の復活では世界の変化には即対応できない組織だ」、また「安倍政権からの『今だけ、金だけ、自分だけ』がどの世界にも君臨し『自己主義』が蔓延、それが当たり前の世間に変わってしまった」という事実を指摘している点だ。更に、近年「ネット世論」なる一部の意見、一部の数値を用いた傾向と意見、それが世論へと変化させ、人々を誘導させているという事実も指摘していることだ。日本の政治も含め「自己主義」が王道になり始め、次期米国大統領のトランプで更に次の段階の「自己主義・自国優先主義」がどのような影響を受けるか気になる。
『誰も言わない日本の「実力」』藻谷浩介
「概要」日本の本当の「実力」は、日本人が聞き及んでいるよりもはるかに高い。しかしその力の発揮は、誤った思考法による誤った認識で妨げられているのだ。「日本はジリ貧」「国際競争力は地に落ちた」――根拠なき絶望感に囚われず、危機の時代をどう乗り越えるか? 毎日新聞コラム『時代の風』欄への9年分の連載に新たに解説を加え再編集。安倍政権から現在までの、日本と世界をファクト・ベースで徹底検証する。『デフレの正体』『里山資本主義』のエコノミストによる渾身の提言!
第1章 経済    アベノミクスから超円安に至る失政に角を立てる
第2章 政治    "政局"ではなく"政策"を愚直に論じ続ける
第3章 国際関係  ガラパゴス的な排外主義を脱し、生の現実に対処する
第4章 社会    歪んだ世相の根底にある、個人の観念
第5章 思考法  共有される虚構の世界から解説
ー2016年から2023年までの毎日新聞でのコラムを寄稿した本書で多くは意見と批判集だ。
ー「経済」
「継承してはならないもの」
    2020年安倍首相の辞任。残ったのは数少なく成果がない経済政策と多くの負債
    消費税の増額で消費減、株式等の高騰で富裕層(政治家)に恩恵(マイナス成長へ下落)
    2012年第二次安倍内閣でも内需拡大なしのマイナス経済継続、国債負担増を継続
        野田政権時代のGDP6.3兆ドル、安倍政権時代5.1兆ドルへと低迷
    超円安で経済停滞で「地方創生」と「少子化対策」への対策を順延(管・岸田首相)
        伝統的な官僚主導「人気を超えて、長期的に実現を目指す」が感じられない
        数十年間変わらぬ目標に向かって一歩一歩詰めるが変化に対応するビジョンがない
「政治」
    「今だけ・金だけ・自分だけ」 安倍・トランプ政権「何もしねければジリ貧」
        「やれるはず」でも「やれないこと」と手付かず(既得権保護)
    「もり・かけ・桜」では「悪いのは勝手に忖度した官僚」という責任待避
    「この一線は超えない」「これには手をつけない」政治家の忖度明確
    「説明や議論は無駄」と説明責任をしない政治家(大人のまともな議論ができない)
    コロナ対策で全国病床のわずか2%しかコロナ患者を受け入れていなかった(指導不足)
「国際関係」
    安倍政権時代ファイティングポーズ(対米)を取るのは得意だっただけ
    岸田政権でのコロナ禍でのオリンピック開催強行(強権姿勢を見せる)
    ロシアvsウクライナ、イスラエルvsパレスチナなど政治家は見苦しく逃げ回る 
「社会」
    「世相・マスコミ(ネット世論)」が原因で事態を変化・悪くする時代
        SNSによる国家主義の揺さぶりから選挙妨害、誹謗中傷など
    少子化・老人化による都市と地方の格差拡大(公共サービス含め)
    人手不足に対する移民・入管法改正は適切ではない(未就労女性の働く場所提供)
        円安では外国人労働者の増加はなく低賃金労働問題が鍵
    教育問題では優秀なものは学費と馬を与えれば自分で育つ
        「幸福総量一定仮説」から脱却で選択させる
    政治家自身への改革(政治資金への全面課税)など自らが身を切るべき
        良き時代の恩恵で満腹している規制・既得権を廃止
「思考法」
    「民度」国民の信頼度、理解度を増す政策をすること
    「バイアス」嘘、偽に対するニュースなどを排除していく
        客観的な数字で議論し、印象的操作を排する
        意見や感情の前に事実を踏まえること(冷静に数字を見て事実を把握)
    「利権」既得権、特権などを見直していく
    「過疎地」への対策と東京集中化への見直し