@幕末編は山岡鉄舟の生い立ちから「剣の道」を見極めたい鉄舟の生き様を描く。千葉周作、浅利又七郎など様々な師範との出会いと勝負で、剣の勝つとは「死ぬ気で相手に繋る心」であり、それは奥義で「徳」(武士の時代、刀で人を生かし、国を治める)ということを悟る。武士道とはなんぞやを剣の鍛錬から見出そうとする鉄舟、自分より優れた剣士(師範)から勝負に負けることで学んでいく。
『命もいらず名もいらず(幕末編)』山本兼一
「概要」飛騨郡代をつとめた旗本の家に育った少年は、のちに勝海舟と並んで幕末の三舟に数えられた最後のサムライ、山岡鉄舟その人である。幼きころより剣、禅、書の修行に励み、おのれを鍛え抜いた。長じて江戸に戻って千葉周作の道場に通い、山岡静山に槍を学ぶ。清河八郎らと知り合い、尊皇攘夷の嵐の真っ直中にあった。世情に惑わされることなく、どこまでも真っ直ぐに生きた英傑の生涯を描く歴史大作
ー「山岡鉄舟」将軍徳川慶喜の意向を受け、命懸けで官軍の陣を突破し、西郷隆盛と談判。江戸無血開城への素地をつくる。そして無私の人となりを見込まれ、侍従として明治天皇の教育係に…。動乱の時代を生き抜いた山岡鉄舟の生涯を描く。文武両道に日頃から励みとことん自分の正しいと思ったことを本気でやり遂げる人物を幼少時代から攘夷騒動に巻き込まれていく様を描く。浅利又七郎という剣術師範との出会いで知ったのが「死ぬ気で繋る心」であった。(死地に踏み込まなければ、相手は切れぬ」(上篇)
やがて「幕末の三舟」と会う(勝海舟・高橋泥舟・山岡鉄舟)
師匠井上清虎「人を生かし、国を治めるのが刀だ」「人の周りには、そもそも垣根なぞあるものか。垣根を作るのは自分。壊すのも自分。自分でがんじがらめに巡らせた垣根は、自分で壊さねばならぬ」「大切なことはなすべきことを最後まで成し遂げることだ。死ぬのは簡単。生き抜いてやり抜くのは辛いぞ。本当の武士道の道をよく考えるが良い」
師範千葉周作「士たる者がみだりに騒げば、民が慄き、世の安定が保てぬ。士たる者、落ち着いて冷静沈着にことにあたるべし。武は世の安定の為に磨け」
高橋泥舟「芸というものは、そもそも力と技を超えた所にある。その根底ににあるもの、それは実際におこなうのが難しい徳というものだ」
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