@推理小説の読み応えは犯人が何故、どのように事件を起こし、如何に証拠を隠し、何を得たのかに尽きる。探偵・捜査側では残されたわずかな証拠、裏付けるアリバイ捜査など如何に捜査を広げ展開するのか、そして誰が犯人なのか最後まで興味をそそる。犯罪は得手して些細な事が原因で起こる場合もあるが、恋愛の復讐は稀なケースかもしれないが、恨み辛みは執念として残ると恐ろしい。
『誰の死体』ドロシー・セイヤーズ
「概要」実直な建築家が住むフラットの浴室に、ある朝見知らぬ男の死体が出現した。場所柄、男は素っ裸で、身につけているものは金縁の鼻眼鏡のみ。一体これは誰の死体なのか? 卓抜した謎の魅力とウイットに富む会話、そしてこの一作が初登場となる貴族探偵ピーター・ウィムジイ卿。
ー資産家で貴族のピーター・ウイムジー卿が探偵役となって元軍隊の部下バンター従僕と動く。それは2つの事件、1つは友人の家に全裸の他殺体、容疑者としてその友人が逮捕。もう一つは金融界の名士が失踪するという、いずれも距離のある場所で発生した事件となった。
ー解決の糸口は全裸の他殺体の身元が失踪した人物を極似していたことでその日に一人の女の目撃者がいたこと、失踪した金融界の名士との関係にある精神医であり解剖士が過去恋愛関係で揉めいた事、更に名士の絡んだ株が大幅に変化した事だった。
ー実は二人の他殺はすり替えられており一人は救貧院からの名士に似た格好の浮浪者が全裸の他殺体となり、もう一人は既に見分けがつかないように顔等に解剖のメスが入り墓地に埋められていた。
ー殺害原因は過去恋愛の復讐、それに富裕層から罵られた過去から計画的犯行を狙っていたことが、2つの事件が実は一人の犯人が犯した事に繋がる。以外や犯行は捜査する側の内部にあり、この小説は身元確認の解剖士が金目となっている。ではその背景に何があったのか。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます