@「いじめ・弱者・犠牲・運命」が本書を読んで浮かんだ言葉だ。文中にある「約束は守ったよ、褒めて」は弱者が犠牲になる社会を恨んだ言葉に聞こえた。「いじめ」は人の心を傷つけ、孤独化させる。それが学校であり、職場であり、住んでいる場所でも有り得ることだ。特に「いじめが陰湿」である事が、いじめている方は単なる「イタズラの延長」だと思ってもイタズラをされている方は恨みが積もり、暴発を止めることができないのではないだろうか。文中での気になる言葉:「いじめを立証することは難しいことです。傷つけられた者が物や身体といった目に見えるものなら立証しやすい。でもいじめで傷付くのは、目に見えない心です」「性格がやさしくてまっすぐ。だから、あんなことになちゃったんだよ」(人の言われるまま、疑いもせず信頼するが最後に裏切られた)「何が悪いわけでもないのに、上手くいかない人っているのよ。真面目で、逃げるのが下手で、不器用。もっと狡く生きればいいのに、それが出来ないんだよ」
『教誨』柚木裕子
「概要」女性死刑囚の心に迫る本格的長編犯罪小説! 幼女二人を殺害した女性死刑囚が最期に遺した言葉――「約束は守ったよ、褒めて」
吉沢香純と母の静江は、遠縁の死刑囚三原響子から身柄引受人に指名され、刑の執行後に東京拘置所で遺骨と遺品を受け取った。響子は十年前、我が子も含む女児二人を殺めたとされた。香純は、響子の遺骨を三原家の墓におさめてもらうため、菩提寺がある青森県相野町を単身訪れる。香純は、響子が最期に遺した言葉の真意を探るため、事件を知る関係者と面会を重ねてゆく。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6a/94/783739bcabceb5b9a2ae10b1ca2c54f9.png)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます