@人間教育の悲しい出来事、それはこの小説にある強制的に一方通行的なファシズム主義(スパルタ教育)を叩き込んだ「ヒトラーユーゲント」(10歳から18歳の少年少女)かもしれない。何と当時540万人とも言われた少年少女武装親衛隊は現在でも生存していると言うことだ。(ベネディクト16世もその一人)自由を剥奪され国に尽くすという忠誠心を余儀なくされたと言う。この小説の主人公がまさにその教育を受けたが平凡な、自由主義の下では逆に不自由で生き甲斐を奪われ殺害事件を起こすと言うミステリーだ。
ヒトラーユーゲント、生き残った兵士たちのビデオがここにある https://youtu.be/_fAGJoSix5M
『逃げる幻』ヘレン・マクロイ
スコットランドに月3回も家出を繰り返す少年を精神的に分析しようと米国ダンバー大尉(精神科医・非行少年心理学者)が聞かされたのは、戦後の後遺症と不可解な話だった。少年が何かを異様に恐れていることに気づくと、その後少年の家庭教師が殺される人間消失と密室殺人が彩るミステリー事件小説だ。
・月に三度以上家出をし、家族を困らせる少年は実は養子として受け入れられた爆撃で生き残った唯一の少年だった。実はこの少年がその生き残ったとされる少年の息子に偽装していたドイツ捕虜の逃亡少年だった。この少年はドイツナチのファシズム的なスパルタ教育を受けた少年隊ヒトラーユーゲント:16歳~17歳)の一人でナチス復活を夢見て逃げ回っていた。
・ダンバー大尉はドイツ捕虜を護衛中に護衛軍人を殺害し逃亡したという人物を探していたが、実はその実態は誰も知らず、この少年のように振り撒いた人物であることが判明する。
・16歳少年、ジョニーは本(14歳)になりすましたが、人間的、かつスパルタ教育下(サドマゾヒズム)での訓練から満たされた家庭では不安とり自分の居場所を探しており、ようやく見つけた場所が数百年前の現地人の住処(地下・穴)で、そこにファシズムに賛同すると思われた作家が住んでいることで安堵するが、実はその人物は何もしない、勇気のない人物だと悟ると許しておかに心情になる。
・ジョニーにはフランス人の家庭教師が付き何不十なく勉強していたがドイツ語を知ったかフリする事に飽き飽きし、やがて自分の秘密を知られるとその家庭教師も排除するようになる。
プラトンはフロイトに言う『善人とは、悪人が実際にやることを夢に見るだけで満足する人間である』
・戦中ドイツヒトラーにより召集、教育を受けたヒトラーユーゲント・武装親衛隊(10歳から18歳で540万人)一つの教えは「一つの民族、一つの総統、一つの国家」は目的のためならば手段を選ばないという過酷な訓練と厳しい習慣を強いられた。 国家社会主義で洗脳されヒトラーに対する愛情、国家権力への従順、軍国主義、人種差別、反ユダヤ主義を教えた。
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