@「経営者とは権限ではなく責任」という日清食品の安藤百福創始者の言葉は納得する。現代、政治家、一部の経営者も含め「連帯責任」を前提に誰も何も責任の所在もはっきりさせず「無責任」が多くなったと感じる。「責任」がないから何でも言いたいことを言い、実践しないで後は知らん顔、失敗したら何も言わず消え失せる無責任社会になったのは非常に残念だ。 やるべき責任者がやる事を成し遂げる実践社会がほしい日本の政治政策(言うだけは誰でもできる)
『経営は哲学なり』野中郁次郎
「概要」今こそ企業は創造主たる誇りを持て!企業は一体何を信じて経営すればよいのだろうか。従来の日本型経営では通用しない。経営は哲学なり。経営スキルの時代から、再び経営哲学が問われる時代へ。本書は、経営理論をベースに企業、リーダー、文献の事例を数多く紹介することで経営の実践哲学を幅広く解説していく。
ー経営哲学
卓越した経営者は自らの経験や知見に基づいた優れた経営哲学を持っている
求心力やモチベーション、価値観は行動する上での指針や判断基準のベースとして機能
直感的な判断やひらめきはの背後には経験に基づく深い知識基盤が存在している
ー伝説的な哲学
松下幸之助:「自然の理法」明確な企業方針を提示し求める姿を追求、信頼や存在意義に
藤沢武夫:「因果関係のプロー」企業の環境基盤を持つこと(直観力と洞察力)
ー現場の哲学
武士道:人々の心に刻まれた掟・道徳・品性・無償・無報酬でも実践する勇気と智
サントリー:「やってみなはれ」お利口さんになるよりヤンチャになってほしい
キッコーマン:「Quality Difference」(品質重視)戦略で北米市場に乗り出す
ホンダ:「3現主義」見たり、聞いたり、試したり(現実現場しか信頼しない)
ファーストリテイリング: 常識破りの「安くて良いもの」作りを徹底
(コンサル料を市場の意見収集にあてユーザ・消費者の生の声を聞く)
長嶋茂雄:「魅せる野球」でファン中心主義を徹底
豊田喜一郎:「ジャストインタイム」質実剛健(現場改善を徹底)
小林一三:「共存共栄」(清く正しく明るく)株主、労使への均等な利益分配
ー変革の哲学
全日空:民間航空会社の走り・資本1億5千万円、従業員28名、2台のヘリコプター
ヤマト運輸:「やればわかる やればできる」社訓は「協力・結束・調和」と言う「和」
ソニー:学歴無用・一人の人間として向き合うことの重要性
ダイエー:流通革命「現金買取で安く消費者に提供する」(量販チェーンの奔り)
菊池寛:文芸家育成(1923年に文藝春秋創刊)生活第一、芸術第二(読者に感動)
小柴昌俊:「立ち止まらず立ち向かう、やればできる」を実践・ノーベル物理学賞
資生堂:「一瞬も、一生も、美しく」企業理念を貫徹(働く女性増、様々な生き方)
電通:「鬼十則」「その手があったか・そんなことまで」を実践
日本国有鉄道:「Discover Japan」1970年キャンペーン・顧客とのコミュニケーション
パナソニック:「共存共栄」創業精神、熱海会議での素直な謝罪・改善体制
日清食品:「ベンチャー精神とは無から有を創造する事」(安藤百福)
「経営者とは権限ではない、責任だ」(上司は責任を果たすことが仕事)
田中角栄:「政策の実現・評判の最大化」(日本列島改造論)日本国の事業(公共経済学)
ー創造の哲学
世界最古の多数企業の「老舗企業」根幹:「継続性」(かきくけこ)
か:感謝、き:勤勉、く:工夫、け:倹約、こ:貢献
「第5の経営資源」とは「ブランディング」「ブランド」(人、モノ、金、情報)
「一貫性」「革新性」(夢があり、時間が経過しても変わらず、先進、先取、先見性)
ー未来へ
生産拠点などの分散化(自然災害などの危機回避)
既成概念の枠や行政の縦割りを取り払い、柔軟な対応を可能にする
理論と実践、特に「試す」ことがない情報化社会は「実践」が乏しい