柴田典子の終活ブログ「エンディングノート知恵袋」

エンディングデザインコンサルタント柴田典子のブログ。
葬儀に関わらず「賢い老い支度」として終活全般のお話もしています。

26歳のグリーフケア

2010年06月11日 | 悲しみのケア
26歳という若さでNPO「リブオン」の代表を務め、グリーフケアをしている女性がいます。
ご自身もお母さんを自死で亡くし、その翌年から「あしなが活動」を通じて
病気や災害テロ、戦争遺児たちのグリーフケアをしているそうです。

橋爪先生主催のパネルディスカッションでこの方のとても印象的な話しが有ります。

親を亡くした遺児たちは、大人が考える以上に傷ついています。
しかし、その想いを声に出すことが出来ないでいます。
自分より、きっと親の方が辛い想いをしているに違いない、だから我慢しなくては・・・
そう考えてしまう遺児がたくさんいます。

その子たちが、同じ境遇の子供たちと何日か過していくうちに
ここは安全!自分と同じ経験をした子が集まっている
と、感じた時に始めて心の声を出すことが出来
自分の悲しみに対面する時間が持てます。

その子たちが海外交流をしたときの話しです。
イラクの子と、アメリカの子がそれぞれテロや、その報復で親を亡くしました。
お互いに体験を話すうちに
アメリカの子が「自分の国の人たちがした事はなんてひどい事だ!
本当にゴメンね」と泣きながらイラクの子に謝ったそうです。

するとイラクの子は「君達が悪いんじゃない。仕方ないんだ」と涙を流しながら
アメリカの子を労わったそうです。
そしてその周りにいた日本の子供たちも皆涙をながら、それを見ていたそうです。

その話しから、彼女は
痛みと、痛みがぶつかると、そこから新たな繋がりが出来てくる。
この子達は、この瞬間をいつまでたっても忘れないでいると思う
痛みと痛みを重ねる勇気があれば、救いがそこにあるのではないか。

という話をしてくれました。

私も遺族の方達と長年お付合いして、それは感じていることです。
そして親を亡くした子供達もつい、置き去りにされがちだと思っていました。

この方は「母の日」の発祥は母をなくした人が考え出したことだ知り
「102年目の母の日~亡き母へのメッセージ」という本を出しています。

尾角光美(おかく てるみ)さんという方です。