柴田典子の終活ブログ「エンディングノート知恵袋」

エンディングデザインコンサルタント柴田典子のブログ。
葬儀に関わらず「賢い老い支度」として終活全般のお話もしています。

葬儀体験手記

2011年02月07日 | sibatanoriko?
遺族の立場で、葬儀体験手記を書いてほしいと依頼がありました。
葬儀社の会報に載るそうです。

私は今までに葬儀社として立ち会った葬式は1000件以上有ります。
その中で葬儀担当者として、遺族の思いを聞き出し葬式を作ってきた経験も多くあります。
担当をしない葬式もできるだけご遺族や会葬者との接点を持つように努めてきました。
この年ですから、親族として参加した葬式も結構あります。

さて、遺族となると3回目の経験です。
義父と、家族のいない伯母と、そして12月に体験した父です。

葬式に慣れているはずの私ですけど
やっぱり回を重ねる毎に感じる物が違ってきます。
より完成度が高くなるような気がします。
完成度って、変ですね!
満足度の方が適当かもしれません。

大きな違いは多分と葬式への意思と時間の問題です。

世間の遺族の多くがそうなのですが
「どんな葬儀にするか」を、話し合わないうちに葬式の
打ち合わせが始まってしまいます。
それも、死んで数時間後です。

でも、今回の父の場合は違っていました。

家族で「そういう葬儀にしようか?」と話す時間が多くあり
葬儀をする目的が持てました。
時間の余裕があったからこそ!ですね。

死が確実に迫っていても、葬式の話をし出すのは勇気が要ります。
父の場合も私が葬儀の仕事をしているから、出来たのかも知れません。
事実、父がまだ病院のベッドにいるうちに葬式の支度をしている私たちを
「まだ、お父さん死んでないでしょう」と怪訝に感じていた人達もいました。

父の回復はあり得ない、と解ってから
私たちが考えたのは「父が喜ぶ葬式をする」事だけでした。

今は自分の葬儀を自分らしく・・・と考える世の中です。
死が異常な、不幸な、出来事では無くなっています。
でも死は、家族にとっても、故人をよく知る人にとっても
重大な出来事であるはずです。

私たちがどんな考えと方法で父を送ったのか
その辺を伝えられる様な手記にしたい、と思います。