柴田典子の終活ブログ「エンディングノート知恵袋」

エンディングデザインコンサルタント柴田典子のブログ。
葬儀に関わらず「賢い老い支度」として終活全般のお話もしています。

お葬式はお金より時間をかけて・・・

2022年05月24日 | 終活セミナー
月に一回、終活セミナーの講師をしています。
1年間、毎月違ったテーマでエンディングノートを書くための勉強会です。
今日は「お葬式」の話です。

葬儀に関する調査では「自分の葬式をしてもらいたくない」と考えている人が約6割います。
家族の葬式については「配偶者の葬式をしたい」「両親の葬式をしたい」人はともに7割を超えます。
自分が「逝く立場」と「送る立場」ではこうも正反対の意見を持っているのだと驚かされます。

私は「送る立場=遺族」の言い分を大事にしてお葬式の話をします。
ご遺族は葬儀を終えた後、悲嘆を抱えながら時を過ごすことを知っているからです。死を感じない日常では「家族を亡くした想い」を想像することは難しいことで、ややもすれば死を軽く見がちです。
今はコロナの影響もあって「お葬式の簡略化」が美徳のように思われていますが、調査結果から見える心の声は嘘とは思えません。
故人の姿が見られる時間は遺族が後で気が付く貴重な時間、省略しないでお葬式をして欲しい。
家族以外にも故人との別れをしたい人がいたら、参列を拒まないで悲しみを共有してほしい。
と今日も話してきました。

今月は母の命日でもあり3年前の葬式を思い出しています。お寺の一室をお借りしてあえて祭壇は不要としました。母の棺が祭壇のようなものです。
母の時は少人数でしたが、親しい人には参加していただきました。先日妹から「この時期はいつも寂しくなりますが本当に綺麗でしたね」とメールが届きました。
5月15日に亡くなり20日にお通夜をしました。自宅で安置した母と十分に別れることができいい見送りができたと思っています。