華道家 余田紫甫(志穂) 

いけばな嵯峨御流・華道家 余田紫甫の海辺の街での楽しいくらしと花を愛する日々

きもの 著 幸田 文

2010年11月11日 | BOOK
この本と巡り合えてほんとうによかったと思える一冊です。
『きもの』というタイトルに惹かれて手にとってみましたが
明治~大正時代から現代を生きる私のとっても心に響く生きる知恵がぎっしり詰まってます。
感じ方、考え方に関して教わった本です。
幸田文の初めて作品ですが他も読みたくなりました。
大好きなきものの事も沢山出てきて楽しめました。

主人公るつ子は
子供の頃からメリスン(モリスンともいう昔のウール素材)・銘仙(めいせん)・セル(昔のウール)
を着ると体がかぶれたり、繊維の匂いで蒸せて気分が悪くなったり、発熱する始末
綿入れを着せられ動き難いと袖を引きちぎり、
縮緬(ちりめん) 羽二重(はぶたえ) 綸子(りんず)などの上質の絹を手に
取って恍惚とする・・・
生まれもって着物の着心地に魅せられた利かん気の少女
自分だけじゃなくクラスの女子の袴(はかま)の襞(ひだ)だらしないのが許されず
本人に詰め寄り、それを注意した教師までも口で言い負かす頑なさ
そんな人一倍感じやすいるつ子の気持ちを家族で一番理解して目をかける祖母

人との付き合いの上でよかれと思ってやったことが裏目に出た時
お前はまだまだ考えが足りないと人の心理の奥深さを教える祖母
アンダーラインを引いときたいくらい心に響く箇所が沢山ある

家族構成がるつ子は三姉妹にお一番下が私と一緒、それに兄が一人(うちは末弟だが)
姉妹が衣服で喧嘩するのは時代が変わっても同じだと納得。

るつ子は子供の頃の利かん気な性格から
人の為に自分を犠牲にする様な健気な娘に成長していく。

着物を脱ぐ時、自分で脱ぎ散らかした長襦袢や肌襦袢などをみたら
これからずっとこの小説が浮かんでくるであろう。

きもの着る人もそうじゃない方もお勧めの一冊
時を経てまた読みかえしたい作品です。

誕生日祝は着物で小坪のレストラン

2010年11月11日 | Gourmet
逗子マリーナのすぐ横にある漁港の街”小坪”は
行ったことないけど想像するイタリアの漁師町。
新鮮な魚を売る店・食る店もあり、オープンエアーの食堂が休日は観光客で賑わいます。
海に面した急な斜面に家が立ち並ぶ様子もまさにこんな感じ。


ずっと気になってた老舗のイタリアン
ピッコロ ヴァーゾ (PICCOLO VASO)
があります。交通がちょっと不便でなかなか足が向かなかった・・・
ユーミンはじめ有名人も多く来店と聞きます。


YODAっちの誕生日。せっかくだから行ったことこのお店を予約しました。
(仕事が忙しくて平日の誕生日お祝いできなったのでちょっと遅れてお祝)
しっかり飲みたいので往復タクシー♪
どうせタクシーならっと日中家で着付けの練習をしてたので
普段着のお出かけに最適な大島紬を着て行きました。
どんどん着て早く体が着物に馴染んでる人になりたいの・・・
夏に聞いた銀座の女将の話が頭から離れない。

そして着物を着たもう一つの理由は・・・
事前にしらべたグルメHPでの口コミで
店主怖い・店主無愛想っていうコメントがめちゃ多かった~~
ちょっとひきますよね。
そこで着物でも着てピシッと足元見られないようにって発想(笑)
着物はそういう面で重宝しますね。


メニューは
怒りのカキ(店の名物らしい)
サザエとアンチョビのパスタ(海の香りたっぷりでGOOD)
自家製パテ(文句なし)
鎌倉野菜のバーニャカウダー
などなど・・・
ワインは魚中心なんで白のシャブリにしました♪


お腹いっぱいで名物のピザやデザートにはたどり着かなかった・・・・

心配した店主さんには特に怒られることなく(笑)、特に愛想がいいわけでなく(笑)
ゆっくりイタリアの海辺の雰囲気で食事が出来ました。

牡蠣をこよなく愛するわたしとしては
『怒りのカキ 』 は牡蠣がもったいない感でいっぱい


激辛の油(ラー油みたい)で熱せられてオイルにまみれた牡蠣たちは辛さでせっかくの風味が味わえない。
牡蠣を食べた後のオイルはパンをつけたりパスタにかけたりして楽しむそうですが・・・
やってみたがやはりちょっと辛すぎ。
結論は牡蠣生!そしてシャブリよく合う。

逗子にもちょっと足を伸ばすとまだまだ行ったことのないいいお店が沢山あります♪
時間をかけて食べ歩こう!