華道家 余田紫甫(志穂) 

いけばな嵯峨御流・華道家 余田紫甫の海辺の街での楽しいくらしと花を愛する日々

【お稽古】2007年4月18日(火) 水木とガーベラ

2007年04月20日 | Flower
盛花(右盛体)

春先、幹や枝先から水がしたたるところからこの名がつけられた水木
美しい緑の葉をつけた枝を体・用に用います。(右相・左相も)
大輪の黄とオレンジのガーベラがみごとに水盤にお花畑を作ってくれました。
レザーファンとスターチスのあしらいで作品の足元の締まりの良否がかかっています。

水木(みずき)
ガーベラ 黄色3・オレンジ2
スターチス(紫)
レザーファン

穀雨(こくう)4/20頃 二十四節気の一つ春の最後の節気です。
”春雨降りて百穀を生化すればなり”
準備が整った田畑を春雨が潤す季節です。これより以降は変わりやすい春の気候が安定します。

今日の雨も穀物の為には必要、感謝の気持ちで

=水揚げについて=

花を少しでも長く綺麗に持たせる。普通の水に漬けるよりもう一つ手間をかけることで大きく変わってきます。
そんな技法を覚えたり学んだりすることも、花への感謝と敬意の気持ちだと思います。

=主な水揚げ方法=

水切り・・・一番簡単な方法で吸水の妨げとなる切り口の空気の入った部分を水中で切る。
      その際、斜めに切るなど切り口は広い方が吸水がよい。

深水.......深い水につけることにより水圧を利用し、より吸水力を高める。
逆さ水......花材を逆さにして葉裏を中心に水をかける葉裏を湿らせることによって水分の蒸発を遅くする  菊など
火で焼く.....強火で足元2~3cmを炭化するまで焼きすぐに深水につける 殺菌効果で腐敗を防ぎ 導管の空気を排除
       炭化で吸収力アップ。。。熱が当たらないように花材上部を新聞紙でつつみ切り口を更新してから行う
もぎる........ハサミで切るより導管がはっきりし吸収が良くなる
叩ききる(ハサミなどで)......吸収面積を広くする
熱湯につける.........足元2~3cmを熱湯に浸しすぐに深水につける 腐敗を防ぎ刺激で導管をひらかせる。
塩をすりこむ...........殺菌・防腐効果 すりこみ後深水につける

そのほか、足元の皮を削る、切り口を割る、足元にかみそりなどで縦筋を入れるなども吸水力アップが目的

よく使う薬品

アルコール = 殺菌 防腐
酢酸    = 刺激 殺菌 防腐
とうがらし = 刺激
ミョウバン = 防腐
重曹    = 刺激
釘の錆び  =刺激 防腐
ニコチン水 =刺激
生姜汁   =刺激

の効果があります。

ある雑誌で薔薇を活けて実験した水揚げ比較を特集していて面白い結果がでていました。。
以下が花もちした順と理由です。

1.サイダー   水揚げを促す糖分と酸性の液が最近の繁殖を押さえる
2.砂糖     糖分が水揚げを促す
3.市販の延命剤  糖分と抗菌剤が入ってる
4.10円玉を入れる  銅に殺菌作用がある
5.水を毎日買える  新しい水は細菌がすくない
6.ハイター       塩素の殺菌効果で増殖を押さえる
7.食器洗い中性洗剤 界面活性剤が水の表面張力を低くして導管がつまっても水揚げが出来る


2007年4月18日作品

洋の華やかな春到来!

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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (HIGE)
2007-04-20 13:17:54
なるほど!

水揚げを促すにも色々方法があるんやね。

早速自席のポトスの水の中に10円玉入れました。

最近の繁殖 → 細菌の繁殖 ・・・
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