シキミは暖地の山地に自生する常緑の小高木で、西日本では葬儀などの仏事に使われる
ことで、一般に馴染の深い植物です。
サカキに似た全縁の葉からツバキ科の植物と間違えそうですが、以前はモクレン科に分類され
現在ではシキミ科に分類されることが多いようです。
3月中旬~4月下旬に葉腋に淡黄色で直径3㌢ほどの花を咲かせますが、生花店でこの花を
付けたものがほとんど扱われていないので一般にはあまり知られていません。
花には線香のような香りがありますが、葉、茎、花、根など全木が有毒で、特に9~10月に8~
12個の袋果が星形に並ぶ果実は猛毒のアニサチンを含む種子を出します。
この果実の乾燥したものは、近縁種のトウシキミの果実を乾燥して作られる中華料理の香辛料
「八角」に極めてよく似ていますが、山地に自生しているものはまず有毒の日本原産種と考えて
間違いないと思います。
シキミ <モクレン科またはシキミ科 シキミ属> 常緑小高木
別名でハナノキとも呼ばれますが、カエデ科に同名の植物があるため殆んど使われません。
名前の由来は「四季美」とする説や、種子が有毒であることから「悪しき実」が変化したもの
とする説などがあります。