市内の放棄耕作地に生えていた花です。
野草の図鑑にもあまり載せられていませんが、ヨーロッパ原産の帰化植物で、ヒレハリソウという
和名が付けられています。ヒレハリソウというと馴染が薄いと思いますが、昭和40年代頃には
健康食品としてブームとなった「コンフリー」と言えば知っている人も多いのではないでしょうか。
当時は、鉄分やビタミンCがホウレンソウの5倍以上も含まれ、葉は刈り取っても短期間に次から
次へと生え出す理想的なハーブ野菜として人気がありました。
またコーカサスの長寿村ではこのコンフリーが常食され、血液の浄化や老化の抑制に結び付い
ているというような話も、実しやかに流布していたようです。
ところが、2004年6月14日、厚生労働省は、海外でこのコンフリーを摂取することが原因で
肝障害(肝静脈閉塞疾患)が起こり、肝硬変や肝不全を起こす例が多発していることを理由に
コンフリー又はこれを含む食品の摂取を控えるよう注意を呼び掛け、食品としての販売を
禁止しました。これにより、健康食品は一転して有毒植物になってしまいました。
可愛い花に纏わる悲しいエピソードです。
ヒレハリソウ (ムラサキ科 ヒレハリソウ属) 多年草 別名コンフリー
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