山野の早春に咲く花木の代表とも言える花です。
本州以南なら何処ででも見られるツバキ科の普通種ですが、中世にはこのヤブツバキから
明石潟(あかしがた)、聚楽(じゅらく)、抜筆(ぬきふで)京唐子(きょうからこ)などの
美しい園芸種が作られました。
最近では、洋種ツバキなども加わり、園芸種のツバキはかなり種類が豊富です。
しかし、そういった人間の手を加えずとも、別名ヤマツバキとも呼ばれるこのヤブツバキ、
珍しくはないものの、気品をそこなわず、華美に流れず、普通に美しい花です。
普通であることをもって至上とするならば、この時期、これほど美しい花はないでしょう。
もうすぐ春爛漫と咲く桜もいいですが、早春の里山で人知れず咲くこの花の奥ゆかしさが
私は好きです。
昔、聞かされた歌にこんなのがありました・・・
「見よ 深山の奥に花ぞ咲く 真心尽くせ人しらずとも・・・」
ヤブツバキ <ツバキ科 ツバキ属> 常緑高木
日本の鎖国時代、日本に西洋医学を
伝授したドイツ人医師、シーボルトは
一方では、大変なプラントハンターで
帰国する際に、日本産のツバキを
何種類か持ち帰りましたが、当時
のヨーロッパではツバキ科の植物に
馴染がなかったので、日本産のバラ
として紹介していたそうです。
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