山と自然の雑学ノート

山歩き&散歩道で出会った植物などの記録

ゴマダラカミキリ(胡麻斑髪切)~里の昆虫記(ファイル6 )

2010-07-11 12:02:53 | 昆虫
大型のカミキリムシの仲間では最もよく目にする種類です。

前翅は黒地に白い斑紋が鮮やかで、触角も白と黒が交互に並ぶ等、かなり目立つ姿で、

指で摘まんでみると、胸部と頭部の間で軋み音を出して威嚇する習性があります。

主に樹木の若枝の樹皮や葉を食べますが、食樹はヤナギ、ミカン、イチジク、クワなど範囲が広く

都会地では、プラタナスの街路樹などを食害することもあります。

また、イチジクやミカンなど果樹も食害するので、それらの栽培農家では重要な害虫の一つです。

6~8月が活動期で、交尾を終えた雌は樹皮に穴を開けて産卵し、孵化した幼虫は木の材部を

食べて成長し、1~2年後に蛹を経て羽化します

幼虫が堀り進んだ木には深さ1~2㌢のトンネルができ、それが多い場合には木の強度が落ちて

折れやすくなったり、木そのものが枯れてしまうこともよくあります。



ゴマダラカミキリ <カミキリムシ科 フトカミキリ亜科>



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

クルマバナ(車花)

2010-07-10 21:12:43 | 双子葉合弁花

クルマバナは夏の草原で普通に見られるシソ科植物の代表的なものです。

城陽市では主に木津川の堤防エリア等で、ススキやクズに混じって咲いていますが、

ヤブカンゾウやカワラナデシコほどではないのですが、花を沢山付けているので比較的

よく目立っています。

和名のクルマバナは、この花の付き方によると思われますが、節の所で茎を取り巻くように

車輪状に花が付いています。

花は他のシソ科の花と同じく唇形で、下唇片の中央に紫色の斑紋が見られます。

茎の断面は四角く、下向きの細かい毛が生えています。



クルマバナ <シソ科 トウバナ属>




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ヤブミョウガ(藪茗荷)

2010-07-07 10:18:01 | 単子葉類

ヤブミョウガは関東以西の山地の林内に群生するツユクサ科の多年草で、

7~8月に40~50㌢の長い花茎をのばし先端に白い花を多数付けます。

実は青く熟し、種によっても増殖しますが、長い地下茎でも増殖します。

和名は葉の形が食用のミョウガ(茗荷)に似ているのでこの名が付けられていますが、

ミョウガはショウガ科の植物でヤブミョウガとの近縁関係はありません。

またミョウガのように食用にできる若芽や花序もありません。



ヤブミョウガ <ツユクサ科 ヤブミョウガ属>  常緑多年草





コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

カラスビシャク(烏柄杓)

2010-07-06 15:26:54 | 単子葉類

カラスビシャクは古い時代に薬用植物として渡来した史前帰化植物の一つです。

同じサトイモ科のテンナンショウ属の植物、特にウラシマソウとはよく似た形をしていますが、

雌花序が背面で仏炎苞に癒合することや、葉柄の中ほどにムカゴを付けることなどから

テンナンショウ属とは別属とされています。



別名をハンゲ(半夏)と呼び、暦の雑節の一つである”半夏生”は、この草が生える頃の意味で、

夏至から数えて11日目(今年は7月2日)を指します。

米を作る農家にとっては大きな節目となる日で、この日までに田植えの作業を終わり、

稲がしっかり根を張るようにとの願いを込めて蛸を食べる風習があります。

尚、植物名のハンゲショウ(半夏生または半化粧)はドクダミ科の別の植物です



カラスビシャク <サトイモ科 カラスビシャク属>  別名ハンゲ  多年草





サトイモ科でムカゴを付けるのはこのカラスビシャクだけ、
同属には他に1種、大柄なオオハンゲがありますが、ムカゴは作りません

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ヤブコウジ(藪柑子)の花

2010-07-06 09:47:27 | 植物(木本)
木津川河川敷の竹藪で最初に蕾を見つけてから3週目になりますが、

ヤブコウジの花がやっと開花しました。

薄暗い竹藪でひっそりと咲く小さな花をわざわざ見に行く人はいないと思いますが

この姿は何とも可愛いものです。

ただ腹ばいになって撮影する時は藪蚊の猛攻撃に少々参りました。

ここでは虫除けスプレーもほとんど効果がありません。



ヤブコウジ <ヤブコウジ科 ヤブコウジ属>  常緑小低木



コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

カワラナデシコ(河原撫子)

2010-07-04 22:24:30 | 双子葉離弁花

日本産の平地で見られるナデシコの代表格とも言えるナデシコで、単に「撫子」と言うと

本種を指します。

また、日本女性を称賛する場合に使われる「大和撫子」も本種のことで、派手な赤色の目立つ

中国原産の「唐撫子」に比べ、本種が繊細で可憐なことに由来します。

関西では7月初旬から咲き始めますが、秋の七草にも数えられるように、花期は長く10月頃まで

見ることができます。



カワラナデシコ <ナデシコ科 ナデシコ属> 多年草




コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

マサキ(柾)の花

2010-07-04 11:59:40 | 被子植物離弁花

初冬に実がオレンジ色に美しく弾けるマサキの花です。

ニシキギ科の樹木にはマユミやツルウメモドキなど実の美しいものが多いのですが、

花はいずれもこれと似たり寄ったりで、緑白色の地味なものばかりです。

しかし、それにも関らずこの花には蜜が多いのか、昆虫の来訪が多く、その中でも

蟻が吸密に来ているのがよく目立ちます。


マサキ <ニシキギ科 ニシキギ属>



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

樹液酒場 Part2 ~ 里の昆虫記(ファイル5)

2010-07-02 19:45:22 | 昆虫
昨日から7月に入りました。このところ梅雨のはっきりしない天気が続いています。

しかし、空は雲に覆われながらも雨らしい雨も降らず、農家の人達にとってはちょと心配です。


さて、5日ぶりになりますが木津川河川敷の「樹液酒場」をちょっと覗いて見ることにしましょう。

どうやら、また新しいお客さんが増えているようです。

これはノコギリクワガタ、国内で見られるクワガタムシの中では

コクワガタに次いで多い種類です。

しかし珍しくもない普通種といっても、最近の子供達にとって野生のクワガタムシを真近に見る

ことはそう簡単なことではないようです。

現在ではクワガタムシやカブトムシも、ペットショップやスーパーの玩具売り場で、飼育セットと

一緒に売られているので、手に入れること自体は難しくありません。

しかし、そのような安易な手段で得られるものには、虫捕りの楽しさや、それらの昆虫の持つ独特の生態、

名前を調べて分かった時の感激など、子供たちが自然の中での遊びを通じて学ぶはずの多くのものが

欠けているように思えてなりません。



ノコギリクワガタ <クワガタムシ科 ノコギリクワガタ属>




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする