背びれに模様があるのはカワマスで、なければイワナとのことです。写っているのは多分イワナと思うのですがどうなのでしょうか。それにしても流れの中を少し注目するだけでこんなにたくさんの魚を見ることができるとは。上高地の自然は水の中でも保たれているのですね。
陽が当たり、川底の砂が見える浅瀬にイワナなのかカワマスなのか詳しくないのでわかりませんが、何匹もの魚が泳いでいます。水が澄んでいるので魚たちはまるで宙に浮かんでいるかのようです。わずかに背びれが水面に出た時の波紋で水を感じるのみです。
岳沢湿原から流れ出る水は時に早く、時にはほとんど動かないように見える淀みを作ります。水面に色とりどりの落ち葉が浮いている池のような場所もあります。落ち葉が日を遮って水中は見えませんが、魚が動く気配は感じます。
明神三ノ池からほとばしり出た水と岳沢からの湧き水が、ゆっくりよどんだり、激しく泡立ったりして左岸道路を阻むように流れています。時には大きな流れになって暴れ下るのでしょうか、倒木に大小の石が食い込んだりして、人の管理はお断りとばかりに流れています。
明神岳からの吹きおろしに耐えられなかったのか、太い幹が引きちぎられるように倒れていました。この辺りでよく見るシラビソかトウヒの木なのでしょう。割れた木肌がまだ新しいので、今年倒されたようです。時がたつとコケが倒木を囲み、そこに新しい木が芽生えます。
嘉門次小屋でおいしい昼食をいただいき、明神池を後にしました。振り返ると、お昼過ぎてもなお雲一つない青空と枯残った秋色の山の自然を、明神の吊り橋が支え持っているように見えました。 また来るよ!!そしてあのカリカリのイワナもまた・・・・
串は40分ほどで焼けるそうですが、長年の経験から時計など無くてもおいしく焼けたことがわかるとのことです。イワナの形が崩れないように慎重に串を抜くと、塩焼き一皿の出来上がりです。この日は予定していた数より多くの本数が出ている、とは仲間内での会話でした。
お店の奥の囲炉裏の炭火の周りにたくさんの串に刺したイワナが斜めに差し掛けられていました。塩をまぶしたイワナは遠赤外線効果で骨の中までしっかり火が通ります。ベテランの山男さんが慣れてた手つきでイワナの串を空いた場所にきれいに刺し並べています。
参道に面した日よけ屋根の下で、名物イワナ焼き定食を注文しました。ほどなく届いたイワナは頭から尻尾までおいしく食べました。また圧力釜で焚き上げたご飯もおいしいお味でした。店の方のイワナを焼く囲炉裏を見てほしいとの誘いにありがたく乗せてもらいました。